- 橘 凛保
- 社団法人橘流恕学アカデミー 理事長 講師
- 東京都
- マナー講師
対象:婚活
- 舘 智彦
- (しあわせ婚ナビゲーター)
「考える卓球」Eテレから
今やブームの卓球です
ユニフォームのデザインも明るくなりましたね
世界屈指の卓球コーチ
マリオ・アミズィッチ氏(62)の奇跡のレッスン
そのタイトル「考える卓球」に惹かれて拝見しました
マリオ氏はかつて全日本ジュニア男子のコーチを務めた方です
リオ五輪銀メダリストの水谷隼選手の育ての親です
マリオ氏は子どもにさまざまな局面で
「自分で考える」よう促していきます
「考える卓球」???
戸惑いながらも子どもたちは工夫し始めます
マリオ氏は言います
「答えを教えるのではなく質問を投げかけるのです」
「自分で答えを出すようにするのです」
これにはスクールのコーチたちも学びます
「考えろ!と言いながら、あれもこれもと教え込んでいました」
そうなんです
どうしても時間の制約にとらわれて
「考えろ!」と言いつつも教えてしまうのです
教えることは子どもたちから「考える力」を奪っているとも言えます
教師たちは誰もがわかっているのです
「考える」をさせたいと
しかし授業時間という枠の制約
カリキュラムと言う枠の制約のジレンマに陥っているのです
私自身そうでした
恕学として
「恕を科学する」「考えるマナー」を実践する中で
短大講師として必須科目を任された中で
まずは
・すべてのカリキュラムをこなし学生に試験で合格させたい
一方で
・考える時間をなるべく多く取りたい
これらは矛盾するのです
そんな時ゴールドラット博士の編み出した
制約理論に出会います
その学びは実にシンプルでした
非常にユニークでした
「考える」をどうしたら考えられるのかの方向づけをいただきました
付箋と魔法の言葉でした
考えるはどうも堂々巡りしやすいのです
その堂々巡りを解く鍵が因果関係に在ったのです
ある日私は会議に遅れて参加しました
そこではすでに1時間にわたり話し合いが持たれていました
やはり堂々巡りがそこでも見られました
そこで話されていることを付箋に書き出してもらいました
書く時には4つの注意事項がありますが
ここでは少し省きます
その書いたものを因果関係で積み上げます
ここで大事なのは因果関係で積み上げることであります
時系列ではないということです
そして魔法の言葉(私はそう呼んでいます)で読み上げます
「もし〜ならば 結果として〜である」
これだけです
この「もし〜ならば結果として〜」に対して皆が
「うんうん」と頷くか「う〜ん?」と首をかしげるか
これがジャッジの基準です
こうして1時間にわたる堂々巡りはわずか15分で解決したのです
私はこの時確証を持ちました
この経験が私に確証を与えてくれました
その後ある学校の道徳の公開授業に招待されました
6年生の授業を参観しました
ここにもジレンマがありました
先生は
子どもたちに考えさせて意見をたくさん出してほしい
一方で
意見を自由に言わせると収拾がつかなくなり時間内に終わらない
子どもたちですから堂々巡りと言うよりも
好き勝手な的を射ない意見も出てしまいます
結果として先生は
ある程度用意しているゴールに導きながら意見を求める
子どもたちも
優等生に任せておけば良いと感じ一部の子しか意見を言わない
結論だけをノートに移して終わる
こういうことがおきます
私自身の教師生活もそういう部分が多々ありました
参観後の意見交換の場で
「考える制約理論の方法を使うことを提案してみました」
後日6年生3クラスに同じテーマで授業をすることになりました
ゴールドラット博士の制約理論を使い行いました
45分授業です
先日のテーマ「学校に行く意味を考える」を今回は自分たち自身
前回は大江健三郎さんの手記を元に障害を持つ子どもを
学校に行かせるべきか行かせないほうが良いのかを学びました
今回は自分自身が学校へ行く意味を考えました
まずは受け入れることを約束しました
これはダメ とか これは違うと否定しない約束です
すると子どもたちは少しずつ付箋に書き始めました
おかしな意見でも取り上げて黒板に貼ってくれるのを見て
だんだん調子に乗っておかしなことも含めてどの子も書きます
これでは収拾がつかないと思いますよね
そこであの魔法の言葉の登場です
前述の堂々巡りの会議では『因果関係で解決』でしたので
魔法の言葉は「もし〜ならば結果として〜」でしたが
今回は「学校に行く」か「行かない」かの対立です
解決の魔法の言葉は
『AをするためにはBをする必要がある」
『Bをするためには〜すべきだと思う」
するとおのずからふざけた意見は自ら取り下げてくれます
皆が「うんうん」と頷いたものが残ります
このようにすると45分という制約の中でも
皆が納得する答えを見つけ出します
そそて何よりも大事なのは
自分たちで導き出した答えがそこにあるということなのです
この時の模様はユーチューブがあります
http://tocforeducation.org/case/%E3%80%8C%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E9%81%93%E5%BE%B3%E3%80%8D%E3%82%92tocfe%E3%81%A7%E7%B4%90%E8%A7%A3%E3%81%84%E3%81%9F/
2015年からこの「考える」学びを
当時のはやりの妖怪ウオッチを捩って「かんがえようかい」と名付けて小学生・幼稚園児と取り組んでいます
マリオ氏はこう続けます
「卓球で強くならないとしても、自分で考える力をつけることは人生で役に立つ」
後半15日の放送が楽しみです