太陽光発電のリスクというと、太陽光発電システムの破損によるリスクや、太陽光発電所を建設するときの事故のリスクなどがあげられますが、日照時間などにより予定通りの発電量を得られない、その結果収益が上がらないというのもリスクでしょう。
リスクに対して、回避の方法として保険は有効ですが、太陽光発電システムの保険といえば、太陽光発電システムの事故による財物損害と利益損害、そして地震や台風、雹といった自然災害による設備の損傷に対しての保険というのが基本的なところです。
しかし、太陽光発電システムの発電収益に関する保険というものも生まれてきています。ヨーロッパ大手の保険会社であるHDI Global保険では、太陽光発電について日照時間などにより発電量が不足したときの売電収益の減少を補償する保険の販売を開始しています。
HDI Global保険の太陽光発電システムに対する補償の基本は自然災害などによる太陽光発電システムの損傷などですが、そうした基本事項の上に日照不足による収益減少についても補償事項に含み、太陽光発電システムに対して総合的な補償を行っているのです。
日照不足による収益減少の補償については、具体的には、保険を契約するときに、太陽光発電所の年間発電量を予想し、その発電量に基づいた年間予想売電収入を保険額として、実際の売電収入が90%未満となったときに収益減少補償特約によって収益が保証される仕組みになっています。
近年、地球温暖化が原因かどうか、異常気象や、天候不順などが多くあります。太陽光発電システムなど、自然再生エネルギーは天候など自然の状況によって発電量、そして収入が大きく変わってきています。
保険を提供するHDI Global保険でも保険の目的を発電事業の収益安定化のためといたっており、日照不足による年間予想売電収入の減少といった保険は、これから太陽光発電市システムの導入を検討する人達にとって、大きなリスク回避の手段となる可能性があります。
このコラムの執筆専門家

- 石橋 大右
- (大阪府 / 住宅設備コーディネーター)
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
太陽光発電とオール電化を追及するプロフェッショナル
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