A.I.を学ぶ大学留学の方法

A.Iを学べる海外の大学を調べていたところ大澤様の記事を拝見し、連絡させていただきました。

大学の候補や、入学方法、授業料など検討もつかない事が多く、ご教授いただければと思います。

丁寧で礼儀正しいご質問をいただきました。

カナダのA.I.についてはパートナーが実際に関与していることもあり、日本からの優秀な若者への有望な進路としてコラムなどでお勧めしています。

質問者ご本人にも、また多くの日本の方にもお役に立てますよう、コラムにて回答させていただくことに致しました。

カナダでA.I. 研究者、或いはA.I. スキルを使いGoogle, Apple など多くのテク企業での仕事を目指す場合のプロセスには、多様な道筋がありますので、わかりやすいよう逆順にご紹介して行きます。

１．最終的には、この３つの大学の大学院、また博士課程で勉強なさることをお勧めします。

Universite de Montreal(Frenchが必要）, University of Toronto, University of Alberta

政府を挙げてA.I. 研究を後押ししているカナダですので、将来他の大学もA.I. リサーチの拠点に参加すると思いますが、現在はこの３つの大学が主要拠点となっています。

この３つの大学にはA.I. で世界の先端を行く研究者・技術者が集結しています。

２．その前段階では、カナダの大学でBachelor’s Degree（学士号）を取得。

上記の大学のA.I. 部門に入学を許可されるにはかなりの競争をくぐり抜ける必要があります。

世界から優秀な頭脳が集まるカナダであることに加え、トランプアメリカを嫌い、アメリカに留学を予定していた世界中の若者と、お膝元のアメリカからも多くの学生が現在カナダの大学に殺到しています。

（９月から生徒が入学予定の大学から「満席です」というメッセージが来ました。）

競争から頭ひとつ出るためには、カナダまたは英語圏大学からのDegree, 大学での好成績が必須です。

３．カナダの大学では何をまず専攻すればいいのか。

＃１の段階で研究者を目指すならUndergraduate Level （大学）ではComputer Science を専攻か、第２専攻に選ぶことが賢明です。

＃１を経たあと、実際の仕事としてテク企業などで働くことを目指すなら、専攻は特にComputer Science である必要はないですが、自分の進む方向とその時々の時代にあわせ熟慮した専攻選びが必要です。

どちらを選ぶにしても大学で必ず勉強すべきことは：

数学、特に高度な微分積分とマトリックス、統計学、Programming（Coding)を学びA.I. 研究に必要なコンピューター言語を理解する

必須ではないですが、お勧めの分野は：

Neuroscience（脳科学）の基礎となる、化学・生物・物理のコース、脳心理学など応用のコース。

A.I. の研究にはDeep Learning というテクニックを使います。

人間の脳が膨大なデータを蓄積し、それからどんなAlgorithm （きまり）を作り出すかの過程をコンピューターに覚えさせるテクニックです。

ですから、脳科学の基礎知識は非常に有効な能力となります。

（現在パートナーのRobert McMillan はDeep Learning でコンピューターに新しい言葉を習得させる作業をしています。膨大な量の文章からコンピューターに言葉のAlgorithm を理解させると、なんと！コンピューターがひとりで文章を作り始めます。

私自身は脳科学の見地から、コンピューターの文法・つづりミスのパターンを研究しています。）

４．カナダの大学に入学し上記を専攻、履修するには。

カナダの大学は原則的に入学時には専攻を決める必要はありません。

入学後にコースを取り進め、徐々に自分の専攻を決定して行きます。

ですから、一般的な留学生の入学規定が適用されます。

直接＃１の大学のUndergraduate 過程に入学する場合：

日本の高校での上位の成績（５段階評価で出来れば平均4.5以上）＆ TOEFLなどの英語評価テストの高得点（TOEFLで行くと最低90かそれ以上）が必要です。

＊学費：（下記は学費のみ、生活費は含みません）

University of Toronto Computer Science専攻した場合の費用:

$45,690 (学費、２年目から10%上がります）

+ $2,500 incidental fees (includes health & dental)

ancillary fees (field trip, lab coat, etc, depending on the course)

それに追加で保険、学生費など

合計で１年間約420~450万円（為替レートにより変動）

University of Alberta (Computer Science)

合計で約220万円（為替レートにより変動）

McGil University (in Montreal) (Computer Science)

合計で約370万円（為替レートにより変動）

University of British Columbia (Computer Science)

合計で約340万円

５．TOEFLが90に届いていない、または高校での成績がそこまで高くない場合。

TOEFLなどの英語評価テストの得点を出来るだけ高くするよう日本で準備。

（方法についてはここでは省略致します）

University, College のESL（外国人用英語コース）に入学し、そこから能力を上げ、大学の正式コースにたどりつく。

ESLから入学する場合は高校の成績はそこまで問題ではなく、高校の卒業が資格となります。

ただし、例えばTOEFL少なくとも60~レベルに達するよう日本での準備を絶対お勧めします。

ESLの低いレベルから始めることになり、将来のA.I. どころか英語力が低い移民レベルの授業からのスタートとなり、時間も無駄な学費もかかりすぎることになります。

大学のESL関係者によると「低いESLから始めた日本人で大学の門まで行ける人は非常に少数です」とのことです。

 ６．そして、これが非常に重要ですが、プログラミング言語の勉強は本日からでも開始して下さい。

A.I. 研究には多くのプログラミング言語を理解しておくことが絶対必要条件です。

しかもそれらプログラミング言語は非常に速い勢いで進化を続けています。

どんどん新しいことが追加されています。

まずは、A.I. の基盤となる　Python 言語の勉強を始めて下さい。

Code Academy, Udacity, Coursera, edXなどのMOOC (Massive Open Online Course)が、無料のプログラミングコースを提供しています。

使用言語は英語ですので、インストラクションを理解しながら進んでいくうちに英語運用能力もつき一石二鳥です。

また、University of Torontoからは有料で証明書のもらえるコースも提供されていますので、将来に大きく役に立つと思います。

日本の高校生・大学生で英語の能力の高い方なら、MOOCでの勉強は自分でやっていけると思います。

インストラクションや、コース内容などに不安のある方には、カナダから直接オンラインでPython 言語の指導も行っておりますのでご相談下さい。

(指導は前述のRobert McMillan）

現在、日本の中学生から高校３年生までがオンラインコースで学んでおり、すでに独自のcodeを書き、プログラムを組める生徒が多々出ています。

その生徒たちの目指すのもカナダのA.I. です。

Good luck! 

お役に立てれば幸いです。