「我慢」と「忍耐」は似て非なるもの - 文化・芸術全般 - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
クラシックバレエ教師・振付家

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対象:文化・芸術

大園 エリカ
大園 エリカ
(クラシックバレエ教師・振付家)
大園 エリカ
(クラシックバレエ教師・振付家)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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「我慢」と「忍耐」は似て非なるもの

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今回のタイトルは、前回の「本物の「上品さ」「優雅さ」というものは、何から培われるのか?」の中で書かせて頂いた言葉です。

☆_(_☆_)_☆

 

 

我慢と忍耐は似て非なるもの。

我慢は溜まれば、遅かれ早かれいつか爆発しまうものですが、

 

長年の人生経験の中の苦労などから、本物の「忍耐力」を自分で養えた人は、

上品でエレガント(優雅)という洗練された人間に成って行くのだと思います。

本物の品格というものは内面からのものなので、誰にも影響されず、そして真似のできないものなのです。

 

 

多くの方が「我慢」と「忍耐」というものを、ごっちゃにして捉えていらっしゃるのではないでしょうか?

何故ならこの二つは、表向きは一見同じ様に見えてしまうものでもあるからです。

 

本来自由をこよなく愛する我儘な人間が、本当は誰もしたくないというのが本音である"我慢"をする時というのは、そうする事で「自分の望むものを得たい」と思う時以外ありません。

 

★我慢すれば、自分の欲しいものが得られる

★我慢すれば、自分に取って必要なものを失わないで済む

 

そう思うから、人は"我慢"をするのです。

本音を言えば「本当はしたくないのだけれど、〇〇の為に我慢」するのです。

 

 

その〇〇は「自分が欲しい、或いは失いたくないもの」ですが、その中には「自分の愛する者の為に、自分を犠牲にして我慢する」というケースもあると思います。

 

突き詰めれば、こういう事も結局「自分の為」にしているという事でもあるのですが、でもこの様な場合は、我慢ではなく、他者の為の愛の行為である"能動的な忍耐"に成っている場合もあるのです。

 

では、"我慢"と"忍耐"との違いとは一体何なのでしょうか?

 

私は、"忍耐"を知る人というのは、宇宙の法則である「因果の法則」や「陰陽の働き(正負の法則と表現される方もいらっしゃいます)」というものを深く理解された方達なのだと思います。

 

そういうものを理解できた人間は「自分の人生の中で起きる事は全て、自分に原因がある」という事を熟知しているので、「忍耐」が自分を成長させてくれるものだという事を知っているのです。

 

ですので「忍耐する」という本当の意味を知っている方というのは、誰かを恨んだり妬んだりして愚痴や悪口を言う事はしない方達なので、そこが私に取ってのバロメーターになります。(こういう人が、もし誰かに何かを伝えたいというものがあるならば、影口など間に人を介入させたりせずに、直接本人に伝えるという方法を選びます)

(^^✿

 

 

一方「我慢」をする人間というのは、自分の人生の中で色々な事が起きる原因が「自分の中に在る」と気付いていないので、常にその原因を自分の外側に見つけ出そうとしながら生きておられる受動的な方達です。

 

ですのでそういう方達は「我慢をしなくてはいけないコンディションを作る相手」を恨んだり憎んだりするのです。そこが「自分で納得して、自分の為に忍耐する」というものとは根本的に違って来るのです。

 

★「自分の人生の問題の原因」は、全て自分の中に在ると理解した人 = 忍耐の人

★「自分の人生の問題の原因」を、外の力や他人のせいにする人   = 我慢の人

 

各自自分の人生に取っての「全ての原因は自分の中に在る」という自己責任で生きる人は、能動的に全てを受け入れ、"忍耐"を通して自分の人生の向上を目指す人であり、それを他人のせいにする人は、頭で誤魔化しながら、そして相手を恨みながら、仕方なく嫌々ながら「自分に被害者意識を持って"我慢"をする人」という事になります。

 

だから「我慢」は遅かれ早かれ「続かない」のですね。

(^^;(^^;;(^^;;;

 

「忍耐」を知る人は、どの様な事があっても決して自分の感情に呑まれる事がなく、いつも前向きに物事を捉えて自分を「被害者」にする事がありませんので、ヒステリックになる必要もありませんし、故に自然に余裕や品格というものが備わって行くので、非常に生き方がエレガントになるのです。

 

これは人生の中で遭遇する様々な苦労を愚痴らず、又「自分の人生の苦労自慢」などもせずに、静かに自分の中の"忍耐力"でもって、それ等を美しく昇華できる人しか持つ事のできない個性なのです。

( ・・) ~ ☆彡☆彡☆彡

 

「どの様に生きるか?」というのは各自それぞれの"美意識"により個々に違うと思いますが、私は男女問わず「忍耐力を養った品性のある優雅な大人 & ウィットに富んだ豊かな感性の持ち主」の方に魅力を感じます。

(*^^*) ~ ♡

 

 

 

 

 

僕達は"我慢"なんてしないけど、人間達って大変なんだねぇ!

…な~んて思われたりしているかも!? (笑)

(^^;

 

 

 

世間で「良い人」と思われる人ほど、実は"我慢"をしている方が多いというのも事実です。

何故なら、それは「自分の本音を頭で考えて押し殺し、相手の為に生きてしまう = 自分を蔑ろにしてしまう」という生き方に通じているからです。

(・・;)

 

「頭で考えている自分」と「自分の心=本音」は違う事が多いのですが、そういう事に頑固に気付かないと、年を取って認知症になったりして、今までの"我慢"で溜まっていた心の膿が、暴言を吐く事などで一気に外に出て来るという様に、天の采配がある様です。

 

どの様な生き方をしようとも、死ぬ時に人間は「プラスマイナス ゼロ」にさせられるのですから、私はやはり人のせいにする様な"我慢"の人生ではなく、人から「良い人」と思われなくても、"自己責任"で自分らしい人生を感謝の心で謳歌したいと思います♫ (笑)

(^^✿✿✿

 

 

 

 

 

 

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舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

natural & elegance

長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年