「美女と野獣」をアドラーで読み解く。
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こんにちは。ひろです。
男性の、それも恋愛や、異性関係があまり得意でない方の力になれたら嬉しいです。
このコラムでは、アドラーを婚活に生かしていく考え方を中心に書いていきますね。
(うちの相談室では、会員達とメーリングリストを作り、今はアドラーの『嫌われる勇気』を一緒に読んでいるんですよ。)
さて、話題のディズニー映画『美女と野獣』もうご覧になりました?
アニメ版で観た方がいるかも。
映画の評価はさておき、この映画、男女のパートナーシップの勉強になると強く思いました。
とくに男女関係が苦手な方にはオススメです。
初めて会った男女が、どうこころの距離を縮めていき、いかに強い絆を作るか?
野獣が(すごいネーミングですよね。フランスの民話が原典だそうですが。笑)、そう野獣に恋心が芽生えていき、揺れる疑いと信頼の中で、最後は愛としか言いようのない嵐のような感情に飲み込まれていくプロセスが、実に丁寧に描かれているんです。
愛するがゆえにベルを諦めようと旅立たせた野獣が、切々と歌い上げる劇中歌「Evermore」が圧巻で、不覚にも涙してしまいました。
(運命の女神が与えた)「愛の試練に激しい怒りを覚える」
「彼女は私をインスパイアしつづける」(男にとって女性っていつもこういう存在では?)
ところで野獣の獣性? 良く言えば野性ってなんのことだと思います?
野獣の姿形って、男の性的エネルギーの象徴だと思うんですよ!
まあ聴いて下さいね。
ある日唐突にやってきて、嵐のような荒々しい力に飲み込まれる。性的エネルギーってそんな感じ(フロイトならリビドー)。
無垢な少年ではいられなくなるのを自覚する。誇らしくもあり、秘密めいていて。
この内なる野獣を飼いならして行くのに、皆さん 苦労しませんでした?
自分は犯罪者になるかも?とか恐れませんでした?
わたしなんか出家しようかと本気で思いましたもん。笑
その意味でこの映画は、王道を行ってます。性的エネルギーを愛に昇華させてゆく過程を、すべての男達が通った道程を。
それもあのエマ・ワトソンが演じるベルという自立した(自己主張と社会正義に目覚めた)現代女性の好むやり方で。
愛が受け容れられるアプローチのし方を教えてくれているんですよ。
アドラー的に言うと、「普通である勇気」とも言える。
そう、自分は特別な存在だと思い込んでいた男ほど、「普通であること」を受け入れるって勇気がいるんです。逆説的だけど。
これは、結婚してみて初めてわかることかも。独身時代にはわからない。だからすごく説得力があり、新鮮でした。
アドラーいわく。(「嫌われる勇気」)
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人間にとって最大の不幸は、自分を好きになれないことです。
「わたしは誰かの役に立っている」という思いだけが、自らに価値があることを実感させてくれる。
「幸福とは、貢献感である」。それが(アドラーのいう)幸福の定義です。
もし、あなたが「普通であることの勇気」を持つことができたなら、世界の見え方は一変する…
そのこころとは?
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普通であることは、無能なのではありません。わざわざ自らの優越性(この映画では劣等生)を誇示する必要などないのです。
だからガストン(映画唯一の悪役)はベルに嫌われ、受け容れてもらえなかった。
「わざわざ…誇示する必要がない」ここが肝で、本当にその通りだと思います。
そして、自分が人と変わっていることの証明も、特別さも要らなくなります。
ベルも村の中で疎外感に悩んでいました。
ありのままでいい、という相互に自己受容の感じですかね。
人生を共にする契約をした相手があって、一人の人間対人間として真剣に向き合って、月日の積み重ねの中で、特別さが溶けていく感じなんです。
むしろ結婚してからですよね、愛を育むことの大切さ、ある意味「大変さ」に目覚めていくのって。
こんなに壊れやすいものはなく…そして掛け替えのないものもない。
それが愛ですかね。
ぜひ一歩を踏み出す勇気を。ではまた。