- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今回設置したストーブは、ダッチウエスト社製エンライト(スモール)の日本専用カラーの新作、「バーモント・ナイト」です。
以前のコラムでも書いているのですが、薪ストーブは、鋼製と鋳鉄製に大別されます。
大雑把に書けば、鋼製は、厚い鉄板を曲げて作ってあり、二重構造で対流を生み出し、温風が出てくる方式で、
鋳鉄は鋳物の鉄自体が熱くなって輻射熱が出る方式です。
木にはご存じの通り、針葉樹と広葉樹がありますが、杉や桧などの、手に入りやすい針葉樹は、燃焼温度が高い為、鋳鉄を傷めやすいので、普段は値段的にも安く、安全でお手入れが簡単な鋼製をお勧めしております。
じゃぁ、何故自分の家には鋳鉄製?
と言われれば、
・新発売という言葉に弱い
・コバルトを使用したマットな藍黒色が気に入ってしまった
・クリスマスまでのキャンペーンで、藍黒色が5万円安い黒色の値段
・輻射式の暖かみも実際に体感したかった
からです。
そして、このエンライトのシリーズは、
メンテが大変な触媒式のキャタリック燃焼とも、
鋼製のクリーンバーン燃焼とも、
異なる、リーンバーン燃焼方式という、触媒を使わずに高効率燃焼という、次世代型の燃焼システムを搭載したモデルだったということもあります。
何とも言えない目と心に優しいストーブです。
さて、前回書きましたが、煙突の方は、曲がりが多く複雑な煙突となってしまいました。
その事を少々。
北海道育ちの大先輩から、北海道では煙突を室内に巡らせて、煙突からの輻射熱で部屋を暖めるのが常識だよ、とメールを頂きました。
確かに、私が釧路市の上の鶴居村という田舎に住んでいた時も、徐々に上勾配にして、天井から吊し、6mほど横引きにしておりました。
ただし、現在の薪ストーブは、一時燃焼+二次燃焼という、精密な燃焼によって、煙突からの煙を少なく(二次燃焼時はほとんど目に見えません)するのと同時に、薪の高い燃焼効率(灰が残りにくい)を実現しているため、これが横引きを2mとか取ると、難しくなります。
また、煙突もステンレス製なので、長くしたり曲げたりすると、とんでもなく高くなります。
ただ、そんな事はさておき、この面白さ、暖かさは、是非味わって頂きたいものです。
施工:株式会社マクス