- 沼田 順
- Office JUN 代表
- 兵庫県
- ファイナンシャルプランナー
対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
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2回に渡ってお送りしている、平成31年(2019年)の住宅ローン金利動向。前回の変動金利に引き続き、今回は長期固定金利の動向についてお送りします。
まず簡単な仕組みからです。長期固定金利は各銀行が債券市場という、国債を売買する市場金利を目安に金利設定します。
しかし、債券市場も市場ですから、有利に金利設定出来るときもあれば、そうでないときもあります。その代表的な指標となるのが、一番市場規模の大きい10年物の国債の値段です。そして、この値段の利回りを長期金利と呼ぶのが一般的です。
国債も債券ですが、債券というのは基本的に利回りが決まっているので、国債の値段が上昇すれば相対的に利回りは低下、下落すれば利回りは上昇ということになります。
そして、日本や世界の景気が良くなれば、国債よりも儲かる株式市場にお金が流れますので、国債の値段が下がり金利は上昇。景気が悪くなれば、国債の値段が上がり金利は低下します。
さらに、これ以外に国債の値段が変動する要因として、日本という国の信頼がなくなった場合、国債を持っていては危険ですから、国債が売られ金利が上昇します。(財政再建懸念など)
また、現在は日銀が長期金利の上昇を押さえ込むために、政府が発行した国債を日銀が買い入れる、買い入れオペを強化しています。
この結果、株価と長期金利との連動性が薄れ、長期金利の動向は日銀頼みが強まっている点には、注意する必要があります。
以上を踏まえて、平成31年(2019年)の長期固定金利の動向を占っていくと、平成31年(2019年)は日銀と米長期金利に注意する必要があります。
まず日銀ですが、今年の7月に政策変更したように、現在のマイナス金利政策は副作用だけが大きく、限界なのではないかという意見が日銀内部からも出ています。
これにより、すぐに日銀の政策が変更される訳ではありませんが、いつまでも2%の物価上昇率という達成できない目標にこだわっていては、副作用はますます大きくなります。
従って、今年のように日銀が政策変更した場合には、長期金利が多少上昇する可能性があります。
また米では、来年も利上げが行われる見通しで、これにより米長期金利が上昇、日本でも長期金利の上昇圧力が高まることも予想されます。
一方で、世界経済は今までのように順風満帆とは言い難く、米中貿易摩擦の悪影響が出てくると株価が調整し、長期金利の下押し圧力が高まる可能性もあります。
結果的には、両者の動きが相殺され、長期金利は現在と同じ水準を維持し、長期固定金利もほぼ横ばいの可能性が高いと考えています。
以上、2回に渡ってお送りしましたが、平成31年(2019年)も無理のない資金計画の範囲内で、この低金利を活用して頂けたらと思います。
沼田 順(1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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