日経記事;『データ保護,幅広く 社外秘以外も対象 不正取得,賠償請求可能に 経産省が法改正案』に関する考察 - 経営コンサルティング全般 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:経営コンサルティング

長谷川 進
長谷川 進
(経営コンサルタント)
長谷川 進
長谷川 進
(経営コンサルタント)
西野 泰広
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2017年10月16日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『データ保護,幅広く 社外秘以外も対象 不正取得,賠償請求可能に 経産省が法改正案』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 経営コンサルティング
  3. 経営コンサルティング全般
情報・知識 事業者側からみた機密保持契約(NDA)の扱い

皆様、
おはようございます。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月15日付の日経新聞に、『データ保護,幅広く 社外秘以外も対象 不正取得,賠償請求可能に 経産省が法改正案』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の以下の通りです。

『経済産業省は企業が販売するデータを不正に取得する行為に対し損害賠償を求められるようにする。現行法では企業が「社外秘」としていることが保護の条件とされており、いったんデータが売買されると保護を受けにくい。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術やスマートフォン(スマホ)の普及で、価値を生むデータが増えていることに対応する。

来年の通常国会に不正競争防止法の改正案を提出する。17日の産業構造審議会(経産相の諮問機関)の委員会で法改正の概要を示す。

不正競争防止法では秘密として管理され、世に知られていない価値あるデータだけが「営業秘密」として保護される。こうした社外秘のデータでなくても、勝手に使われれば他社が不当な利益を得る可能性がある。

法改正によって、たとえ営業秘密でなくてもデータの不正取得に対抗できる新しい制度を導入する。企業が不正取得者に対し損害賠償やデータ利用の差し止めを求められるようにする。

「不正な手段」が何を指すかは今後詰めるが、盗んだり人をだましてデータを取得したりした場合は賠償対象になる。暗号化されたデータの暗号解除や、IDやパスワードを無効にすることも対象になる見通しだ。利用許諾期間を過ぎてデータを使い続けることも違反とする。

経産省が保護を強化する背景には、企業などが持つデータの売買が活発になっていることがある。例えば気象庁の情報を加工して販売するお天気データは、月額数万円で販売されている。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の投稿をもとにした外国人観光客の動向データも月額数十万円で売買されている。

IoT技術やスマホの普及で売買の対象になるデータが爆発的に増える一方で、法律上どのような保護を受けられるのか曖昧だった。

法改正で複数の企業が情報を持ち寄ったデータベースも不正取得からの保護対象にする。日本糖尿病学会と日本オラクルやオムロンなどの企業連合は現在、ウエアラブル端末を使って糖尿病患者約1千人の日々の歩数や体重などのデータを集めている。こうしたデータベースにアクセス権限のない外部者が侵入し、勝手にデータを使った場合も賠償や差し止め請求の対象にする。

クラウド事業者も注意が必要になる。クラウド事業者のサーバーに保存された顧客のデータについて、利用規約で「勝手に使わない」と言っておきながら、無断でデータを自社のビジネスに活用した場合も違反になる。

経産省は並行して、不正競争防止法の運用指針も改定する。企業が社外秘扱いにして販売しないデータや人工知能(AI)についても「営業秘密」に該当することを明確化し、保護を手厚くする。』

今まで、本ブログ・コラムにて、企業や組織が営業秘密扱いする情報やデータなどに関する扱いに関し、機密保持契約の締結を含めて述べてきました。

政府は、営業秘密扱い情報やデータに対して、「不正競争防止法」を制定して取り締まっています。

不正競争防止法は、日経新聞に「ライバル企業の「営業秘密」を入手したり、商品の模倣をしたりして競争優位に立とうとする行為を防ぐ法律。経済産業省が所管し、実際の企業スパイや模倣製品の摘発は各都道府県警が担う。」書かれています。

企業によっては、どんなデータ・情報でも機密扱いするところがあります。私は、そのような企業には、このようなやり方を取ると、本当に機密保持が必要な情報の扱いがぞんざいになるリスクがあることと、社内および取引先との間で扱う情報・データに不具合が生じる可能性があることを指摘しています。

要は、本当に秘密扱いが必要な情報・データに集中して、機密保持を行うことが、実効性のあるやり方になります。機密情報は、通常マル秘扱いのマーキングなどを行って通常のものとは、扱いを変えてコピーを取らないなどの厳重管理を行います。

さて、本日の記事は、この営業秘密扱い情報やデータの扱いに加えて、企業や組織が扱うデータ自体に、政府がもっと踏み込んだ不正防止策と罰則強化を行う動きについて書いています。

AIやIoTの本格普及が始まっています。このような状況下では、取り扱われる情報・データが大きな付加価値をもつようになります。

たとえば、政府が公表している統計データは、無償でインターネット上で入手できます。

ある企業が政府の統計データと、店のレジで支払がなされるときに発生するPOSデータを組み合わせて、収集・分析した結果(情報・データ)は、付加価値をもっており、有償で販売することができます。

IoTから得られる情報・データは、ある使用目的に収集・分析された結果がいろいろな付加価値をもつことになります。

政府が規制の対象にしているのは、このような広範囲に有償販売される商品となる情報・データになります。

有償販売される情報・データが、他の商品と同じように、不正所有・違反所有に対して不正競争防止法が適用されることは、当然のことです。

政府に対しては、この新不正競争防止法が可能な限り早期に実施することを期待します。

AI・IoTを含めたIT化が進むビジネス環境では、より質の高い、付加価値がある情報・データを早期に入手して、事業活動につなげることが競争力や新規性などを左右する可能性が高くなります。

多くの情報・データは、自社サーバー、クラウドサービスのデータセンター、パソコンなどに保管、保存されています。

そのような保管、保存された情報・データが、第三者がセキュリティシステムを破って不正にアクセスして入手するリスクがあります。

セキュリティ対策を強化しても、現時点では残念ながら不正アクセスを完全に防止できません。

一旦不正アクセス・入手が発覚したら、その実行者や実行組織は、この不正競争防止法の厳格適用で厳しく処罰する必要があります。

企業間競争は、公正かつ合理的な土俵である事業基盤上で行うことが必要であり、基本であることによります。

今後の政府による不正競争防止法適用の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「情報・知識」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;『企業秘密漏洩 未遂も刑罰 海外流出防止に重点』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2014/11/24 15:13)

「身代金要求型」マルウエアが急増 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2015/08/07 11:23)

社長ご存知ですか?マイナンバー制度で講ずべき安全管理措置3 本森 幸次 - ファイナンシャルプランナー(2015/03/12 17:10)

時代遅れもニーズ減少も、生き残れば付加価値につながることがある 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2014/12/23 08:00)