ヤンゴンで見た「三丁目の夕日」

　1月22日にから4泊5日で、ヤンゴン（ミャンマーの経済中心地）へ経済視察に行ってきました。

　ヤンゴンは人口６００万人といわれ、もともとビルマ（現：ミャンマー）の首都でした。２０１１年に軍政から民政になったことで、一気に経済成長が進んでいます。　

新旧入り混じる市街地

　中心地南端にはイギリス統治時代の古い建物が多くみられ、南端から少し外れるとシンガポール、中国、ベトナム、日本などの資本で建てられた高層ビルが見られます。高層ビルは商業施設・オフィス・コンドミニアム（日本で言うマンション）の複合型が大半を占めます。その反面、郊外へ行くとバラック小屋のような家や屋台のような店が多くみられます。人口が増え続けていることから、地価や家賃が高騰しています。　ヤンゴンは車社会です。中心地から空港まで２０キロ足らずですが、普段で１時間、混雑時には２時間かかります。鉄道網としては環状線がありますが、本数は多くありません。

生活面でいうと、

電話は、携帯電話を使った高速通信が一気に普及しています。現地の日本人からＷｉｆｉルーターをお借りしましたが、日本にいる時と同じくらい快適でした。銀行ATMが急激に普及し、２４時間お金を引き出せます。ただ、電気は供給が追い付かず停電が頻発しています。故障防止のための安全装置がエアコンなどの大型家電の横についており、発電機によって停電時の生活をカバーしている建物もあります。飲み水はミネラルウォーターが強く勧められ、路上でも売り子が販売しています。野菜や果物は有機栽培が中心です。おいしいのですが、衛生状態の良い店で食べないと体調不良になります。

急激な経済成長の反面、

いびつさも目立ちます。川にかかる橋が少ないため、市街地がなかなか広がりません。中心地から車で１時間ほどの所に日本が主導したティラワ工業地帯がありますが、中心地からの橋は片側１車線のため日中は常に混雑します。しかも途中はでこぼこ道もあり車が大きく揺れます。中心地で広島電鉄の中古電車を使った市内電車を走らせようとしたところ、道路渋滞がひどくなり半年ほどで運行中止となりました。渋滞緩和の目的で屋台を移転したところ、利用者には不便になってしまい、片側数車線の道路をきわどいタイミングで横断する歩行者が増えました。

国の将来像を描くことは、

私たちがお客様と一緒に作るライフプランと大変似通っています。目先のことばかり考えて物事を実行すると、結局お金の無駄遣いになります。10年先、20年先といった未来を見すえたいですね。ヤンゴンの都市計画は日本のJICA（国際協力機構）がアドバイザーとなって進められています。１０年以内には地下鉄もできるようです。高層ビルの建設ラッシュもあり、三丁目の夕日のような光景が、映画の世界ではなくリアルに感じられました。数年後がとても楽しみです。