外壁塗装業者の選びかた。 - リフォーム・増改築全般 - 専門家プロファイル

曽根 省吾
株式会社塗装職人 代表
神奈川県
一級塗装技能士

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対象:リフォーム・増改築

森 幸夫
森 幸夫
(代表)
木下 泰徳
(アップライフデザイナー)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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外壁塗装業者の選びかた。

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あまり知られていない塗装業者の選定方法をお伝えします。




かなり有効な手立てとなるので、覚えておいて損はないと思います。

塗装業者は大きく分けて2通りの業者が存在します。



社長が職人もしくは職人あがりの業者の「職人社長の塗装業者」

世間にアピールする宣伝をほとんどしません。

消費者の目に触れる機会がほぼないため、下請けとして仕事する事が多くなります。




もうひとつは、社長が職人ではなく営業上がりなどの「営業社長の塗装業者」です。


「職人塗装業者」が現場主力の業者なら、こちらは営業主力の業者です。

営業力が高い反面技術がないため、実際の塗装は「職人塗装業者」を下請けにして行います。


消費者は必然的に目に触れる機会の多い、広告や宣伝に積極的なこの業者に工事を依頼することが圧倒的に多くなります。



過去の実例からいえば、「職人塗装業者」のほうが、工事失敗の可能性が少ないでしょう。


予算のかけ方がそれぞれの業者では、大きく異なる場合が出てくるからです。



仮に100万円で塗装工事の契約をしたとします。


「職人塗装業者」の場合・・

当然利益は入っていますが、100万円はもちろん全額が工事に使える「予算」です。




「営業塗装業者」の場合・・

下請けに工事を任せる以上、自分たちにも利益が必要ですが、この利益が問題となります。




ある大手営業塗装業者の場合・・

お客さんと100万円で工事契約を交わしても、実際に工事する下請けには、足場から何から何まで工事のすべてを「30〜40万円」の予算で受注させる例もあります。



もちろん、これでは手抜きをせざるを得ない「予算」となってしまいます。

ただし、「職人塗装業者」がお客さんに直接工事をしたとしても、コストを下げるだけ下げて、利益を大きくしてしまえば、結局は同じになります。


しかし、「営業塗装業者」は、自分たちの手で塗装作業ができない以上、




    《お客さんの契約金額−下請けへの発注金額》




の差額である「中間マージン」を利益とする方法しか、経営的にも存続ができないシステムです。




これは、お客さんを第一に考えて工事するしないという「考え方」が工事に影響をおよぼすというよりも、システム的そのものが工事に対して無理が生じやすいということになります。



ただ、これもあまりにも限度を超えた予算で、下請けに工事を託す場合の前提の話ですが、塗装トラブルの原因の多くがこの部分に関係しています。



下請けをつかわない「自社施工」を大きくアピールしている業者がいるのもこの為です。


中には職人社長を演じる業者や、現場経験のない訪問販売員がわざわざペンキのついた作業服に着替えてセールスする業者もいます。



一方、「職人塗装業者」の場合は、作業自体が利益ということもいえるため、限度を超えるようなコスト縮小の工事は可能性としては少ないといえます。


このように支払う工事契約価格がおなじ100万円 だとしても、実際に作業に費やされる「予算」は、それぞれの業者ではまったく異なってくるのです。


このような理由から「職人塗装業者」を選ぶべき理由ですが、問題はその探し方です。




ポイントとしては、代表者と会社の経歴の2つで判断をします。




○ 代表者が「塗装技能士」の資格を持っている。

○ 工事実績を証明してくれる「塗装工事業」の許可がある。




「塗装技能士」というのは、職人でなければ取れない国家資格です。


「塗装工事業」も10年工事に携わっていなければ、取れない許認可です。



もちろん、これらの許可や資格がなくても「職人塗装業者」は世の中にたくさんいますが、素人の方が見極める場合は、この方法がベストです。


ただし、注意するのは「塗装技能士」が、代表者ではなく職人では意味が違ってきます。


「塗装技能士」は、確かに高度な技術と知識を持ち合わせていますが、それは十分な材料と手間をかけられる「予算」があればこそです。


もし会社の方針、すなわち代表者の考え方が、工事より売り上げに思い入れが強く、現場に投入する予算も控えてしまう場合、いくら職人が「塗装技能士」でも関係ありません。


逆に「塗装技能士」でなくても、見極められないだけで腕のいい職人はたくさんいます。


職人の腕よりも、結果的には会社の方針が工事の質を決定します。


現場を熟知している職人の場合、現場の状況を軸にして作業内容を決定しますが、代表者が職人にこたわる理由もこのひとつです。


その反面、現場について良く知らなければ、予算から入ることが多くなります。


最初に予算の限度枠を決めてから、次に作業内容を決めることになる以上、痛みに関係なく必然的に限度が設けられてしまうのです。


代表者の方針が本当にお客さん主義で常に工事をする業者なのか、利益はもちろん大事なものの、そればかりが先で工事の質を後回しする業者なのか。


そこが重要であって、必ずしも『塗装技能士=安心』、というわけではないということも覚えておいて下さい。


塗装知識については、下記のサイトもご参考ください。
神奈川県の外壁塗装業者
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