平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 毎月分配型投資信託 - 投資相談全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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平成27年事務年度版金融レポートに見る、個人投資家に適さない金融商品 毎月分配型投資信託

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資産運用の原則 資産配分(アセットアロケーション)

9月に、金融庁から平成27年事業年度版の金融レポートが発表されました。
http://www.fsa.go.jp/news/28/20160915-4/01.pdf
同レポートは日銀の金融政策や銀行等金融機関の経営についての見解を述べるなどに多くを割いていますが、森信親氏が長官に就任されてから、金融庁の立ち位置を顧客(≒個人投資家、生活者)寄りに修正されたことから、我々個人投資家にとって、極めて有益な事柄がレポートされています。
それらを、金融レポートに掲載されているデータとともに紹介いたします。

フィデューシャリー・デューティー


ところで、金融庁森長官は『フィディーシャリー・デューティー』を掲げています。
外来語そのままですので。極めて分かりにくい概念ですが、日本語で言えば、「受託者責任を果たす」、「お客さんのニーズに合った最善の商品やサービスを販売している」、「お客様の信頼にこたえる」などを含む概念です。

詳しくは小生の下記コラムを参照ください。
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/52685/

個人投資家に関わる事柄は50ページ以降の、国民の安定的な資産形成の推進「貯蓄から資産形成へ」に述べられています。

金融レポートに載っている記事によって、顧客(≒個人投資家、生活者)にとってダメな商品とわかる商品は3つです。
1つは「毎月分配型投資信託」です。

下図は個人投資家のニーズとそれを伝えた時に提案された商品の割合です。
ネット販売以外の金融機関は、どのようなニーズを持っていても、収益分配の頻度の高い商品を提案していることが分かります。
これは、お客のニーズとは関係なく、販売会社が勧めたいものを提案しているのが分かるデータです。

160923顧客の運用目的と販売会社による提案商品(金融庁資料より)

金融レポートの記載にも
顧客の運用方針にかかわらず、販売会社は、主として収益分配頻度の高い商品を提案しているとの結果となった。一般に、利益を分配せずに再投資する方が投資効率は高くなるとされている。当面現金を必要とせずに中長期での資産形成を考えている顧客も含め、一律に収益分配頻度の高い商品を提案する場合が多いということは、販売会社において、必ずしも顧客のニーズに沿った対応がとられていないことの一つの証左ではないかとも考えられる。

銀行や証券の窓口に行って相談しても、個人投資家のニーズに合う商品の紹介は受けられないようです。
また、「利益を分配せずに再投資する方が投資効率は高くなるとされている」とかかれているように、収益を分配してしまう投信の運用成績が劣ることは「投資の原則」として広く認識されています。
そして、 分配金利回りのランキングを公表する等、分配金利回りの高い投資信託が運用成績が良いとの誤解を与えかねない情報提供を行っている事例があることが報告されています。

この「投資の原則等」の認識が広がらないのは、個人投資家にも責任があります。
下図は投資教育を受けた経験が無い人の67%が身に着けたいと思わないのですから、金融機関等の良いようにされても致し方ありません。

160925金融・投資知識習得に関する態度

次回はお勧めできない商品として、個人年金保険を取り上げます。
文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
ファイナンシャルプランニングと投資助言で人生設計から資産形成までサポートする保険や投資信託等金融商品を販売しないフィーオンリーのアメリカ型ファイナンシャル・プランナー≒独立系顧問料制アドバイザー。
【登録】
投資助言・代理業:関東財務局長 (金商) 第2227号
あなたのライフ・プランに適した期待リターンとリスク許容度で資産配分とポートフォリオ構築を口座開設から銘柄選定までサポートします。
注:投資助言に関するリスクの所在は下記に掲載しています。
http://www.officemyfp.com/toushijogentorisk.html

『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
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