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日経記事;『日用品3社が提携 資生堂、ライオン、ユニ・チャーム 売り場作りなどで』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

10月3日付の日経新聞に、『日用品3社が提携 資生堂、ライオン、ユニ・チャーム 売り場作りなどで』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『資生堂、ライオン、ユニ・チャームの日用品大手3社は販売分野で提携する。共同出資会社を設立し、小売店や売り場ごとの販売状況を把握。消費者の目に付きやすい商品配置や販売促進向けの展示を一体で手掛ける。

日用品市場は競争が激しく価格競争に陥りがちだが、消費者に価格以外の特徴を訴える狙い。将来は売り場の実情を踏まえた商品開発に生かす。

資生堂子会社で、小売店の店頭で売り場作りの支援業務を手掛けるジャパンリテールイノベーション(東京・港、JRI)に、ライオン、ユニ・チャームが2割ずつ出資する。3社は制汗剤やペット用品など一部商品で競合するが、国内市場が成熟するなか、協力して販売力を高める必要があるとの結論に至った。

JRIはドラッグストアや総合スーパーと協力し、3社の商品を中心に消費者に分かりやすく展示するほか、販促物の管理や店頭での販売動向を把握する。売り場や商品ごとの販売データを入手することで、地域特性に合わせた販促策を練ることや、新商品の開発につなげる。

3社のライバル関係にあり、店頭活動も自社で手掛ける花王に対抗する狙いもある。』


日本の小売事業は、人口減少から来る国内消費者市場規模の長期低減化の中長期的な課題をもっています。

この小売事業の中で、最近、急速に売上を伸ばしているのが、インターネット通販事業です。国内商品のインターネット通販事業は、2015年度で小売市場全売上の4.8パーセント弱を占めています。(経済産業省の調査結果;平成27年度電子商取引に関する市場調査結果~我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備概要に基づく)

この4.8パーセント弱の数字は、イギリスや米国のインターネット通販事業が全小売市場規模に占める割合、約12パーセントと7パーセントに比べると低い状況にあります。

もし、日本でのインターネット通販事業が欧米市場のような全売上に占めるシェアを取っていくとすると、ますますネット通販事業は拡大することになります。

多分、インターネット通販の利便性や低価格化商品の豊富さを考えると、インターネット通販事業の拡大を疑問視する必要はまったくありません。

日本全体の小売市場が大きく伸びない中で、インターネット通販事業が急伸すれば、他のリアル店舗の売上が減少することは、確実です。

本日の記事にあります日用品は、消費者は総合スーパーやドラッグストアなどで買います。この総合スーパーやドラッグストアは、現在、インターネット通販事業と熾烈な競争を行っています。

ドラッグストアは、2014年に一般用医薬品のインターネット通販の販売解禁で、一気に事業環境が変わり、ネット通販事業との競争が激化しています。

ドラッグストアは、医薬品だけでなく、日用品や食品関連も取扱い商品に加えて、収益確保・拡大を測ろうとしています。

私は、日用品のメーカー、総合スーパーやドラッグストアなどのリアル店舗小売事業者の最大の競合相手は、アマゾンを中心とするインターネット通販事業者だと考えます。

アマゾンは、創業以来、一貫してネット通販Webサイトの改善と、物流センターの改良・拡大に取り組んでおり、その投資のために短期的な利益確保の優先順位を下げています。

一般的に米国の投資家や株主は、企業に対して短期的な収益確保・拡大を要求しますが、アマゾンは、例外的に強いリーダーシップを取る創業者のもとでの、明確な投資原則に対して大きな異議が出てきませんでした。この傾向は、今後も続くとみています。

アマゾンの事業目的は、シンプル、かつ明確です。それは、すべての商品を自社のネット通販サイトを通じて、顧客に販売できるプラットフォームを構築することです。

メーカーやリアル店舗事業者は、このような良い意味でのクレージーな創業者が中心となって行っているインターネット通販事業者と競争する上で、どのようなやり方が最も効果的か考え・実行する時期に来ているとみています。

メーカーの立場からみますと、自社商品の販路がインターネット通販を含めて多様化することは、基本的に望ましいことです。

かって、国内家電商品の国内販路が大型の総合スーパーに牛耳られて、国内家電メーカーの多くが価格決定権をもてない状況に直面しました。

メーカーが自らインターネット通販事業を積極的に活用すれば、顧客に直接販売できますので、販売価格の決定権をもつと共に、顧客の反応を直に理解・把握できるメリットがあります。

メーカーがインターネット通販事業を行う場合、自社サイトで行うか、あるいはアマゾン、楽天、ヤフー、ヨドバシカメラなどのネット通販事業者の専用サイトから行うやり方があります。

メーカーがどのやり方で行うかは、その企業の経営能力やインフラ整備状況などによりますので、その時点で最適な方法を選んで、自社の経営状況に応じて柔軟なやり方を取っていくことが重要になります。

リアル店舗事業者の場合、今後、インターネット通販事業者との競合はますます熾烈な状況なるとみています。多くの場合、リアル店舗事業者は、一定程度の既存市場をインターネット通販事業者に奪われることになります。

リアル店舗事業者は、そのことを前提にして、今後の事業展開のやり方を考え・実行する必要があります。

総合スーパーの中には、イトーヨーカ堂や西友などの事業者が自らネットスーパー事業を立上て、いわゆるオムニチャネル(ネット通販とリアル店舗の同時販売)での事業展開を行っています。この総合スーパーによるオムニチャネルのネットスーパー事業が今後、どのような展開になるのか注目しています。

このオムニチャネル事業では、個人的な私見になりますが、ヨドバシカメラは着実に進化して、その事業基盤を急速に拡大している印象をもっています。

私は、パソコンなどの家電商品を購入するときに、ヨドバシカメラのリアル店舗で、店員から詳細説明を聞いて、理解・納得したうえで店舗かヨドバシカメラのネット通販サイトで購入しています。

ヨドバシカメラの場合、どちらで買っても同じ価格で買えます。また、アクセサリーなどの周辺商品は、例外なく、ヨドバシカメラのネット通販サイトら購入しています。早ければ、注文した日に商品が届きます。アマゾンとヨドバシカメラのネット通販のサービス品質は、ほとんど同程度になっています。

日本国内市場のネット通販市場でアマゾン1強になると、無競争になり独占的な地位を確立してしまいますので、楽天、ヤフー、ヨドバシカメラなどのネット通販事業者が競争力を維持強化することが重要になります。

メーカーは、ネット通販事業への依存度が今後とも高くなりますので、自社商品の販路の拡大と価格競争力の強化を実現するためのやり方に知恵を絞る必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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