美しいものは、いつの世でも
お金やヒマとは関係ない
みがかれた感覚と、まいにち
の暮らしへの、しっかりした眼
と、そして絶えず努力する手
だけが、一番うつしいもの
をいつも作り上げる
【『暮しの手帖』創刊号の巻頭に掲げられた 編集長 花森安治の文。
NHK日曜美術館「“暮し”にかけた情熱 花森安治30年間の表紙画」
(7月17日放映)の中で、出会った言葉です。
うつくしいものを実現する上で必要なのは
「感覚」と「眼」と「手」。
この3つの中でもっとも得がたいのが「みがかれた感覚」でしょう。
こればかりは一生かかっても、得られない、
そういうものかもしれません。
日曜美術館のナレーションでは、なぜか「みがかれた感覚と」
の部分だけは省略していました。
このことが妙に印象に残りました。
3つの中で、私が好きなのは、「絶えず努力する手」です。
「みがかれた感覚」も、「しっかりした眼」も、
すぐには手に入らないが
「努力する手」だけは、今日からでも、はじめられそうです。
そしていつの日か、
「努力する手」が「しっかりした眼」を育て、
「みがかれた感覚」をきたえ、
うつくしいものが生まれるのではないか。
そんな未来への期待を与えてくれる言葉でもあります。
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西 島 正 樹
株式会社プライム一級建築士事務所
PRIME INC.ARCHITECTURE AND PLANNING
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このコラムの執筆専門家
- 西島 正樹
- (東京都 / 建築家)
- 西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
一人ひとりの生き方と呼応し、内面を健やかに育む住宅を
家づくりを大切に考えることは、生き方を大切に考えることにつながるのではないでしょうか。一人ひとりの生き方、考え方に呼応してこそ、住む人の心を育む建築空間が生まれます。この世にひとつだけの家づくり。ぜひ、ご一緒できればと願っています。
「【心に残る言葉から】」のコラム
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