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まず、このお話にご協力いただいたモニターの方々に、この場をお借りして深謝いたします。
今回ご紹介するのは、上腕（二の腕）のタトゥー（刺青）を除去（切除）する方法と傷についてです。
『なるべく早く』『なるべく安く』『なるべくきれいに』消したいというのは、多いご希望です。しかし、時間的な余裕がない場合は、『いかに早く』という点に集中して治療にあたらなければいけません。
現在、様々な治療法が行われていますが、一番早く、しかも確実となると、切除ということになってしまうと思います。植皮というのも候補に入るのかもしれませんが、術後の経過が不安定なこともあります。
さて、なんとなく同じような場所のタトゥー（刺青）を切除するにも、ケースバイケースによってバリエーションが出来てしまうということを実例でご紹介したいと思います。
まず、始めの方ですが、横方向に文字が入っているだけですので、単純に切除して縫い合わせるという方法をとります。
術前です。
術後です。このように、傷も一本線になります。
次の方ですが、これは、柄的に複雑に見えますが、実は単純に切除、縫合すれば良い問題です。
術前です。
術後です。傷はこのように一直線になりました。この方が良かったのは、皮膚が一番伸びやすい方向とタトゥー（刺青）の柄の長軸方向が一致していたということです。
最後の方ですが、二人目の方と一見同じように見えるかもしれません。しかし、タトゥー（刺青）の長軸と皮膚の伸びやすい方向に差異があること、矢印で示した部分が邪魔をして、実際の柄よりも大きいものと同じ扱いをしなくてはいけないことが問題となります。
術前です。
術後です。このような場合、切除する皮膚の量を最低限に抑える『くりぬき法』という方法を用いましたので、傷が不規則な形状に仕上がっています。もちろん、時間があれば、手術の間隔を開けながら、『分割切除』という方法で1本の線に仕上がるように切除することも可能です。
このように、一見同じような状態でも、医師側からすると対応が様々になります。しかし、いつも同じように手術をして、途中で『これ以上切れません！』と投げ出してしまう医師が存在しているという憂うべき事態にお会いすることも稀ではありません。
術前に、治療計画はどのように考えているのかを担当医に確認することが非常に大事だと思います。
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このコラムの執筆専門家
- 山本 豊
- （東京都 / 院長）
- 新宿山本クリニック
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