- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
何故、「外張り断熱」だったのか...!?
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これからの家づくりの視点
「高断熱・高気密」後のより自然に即した断熱法とは?
2008-11-03 17:35
高断熱は分かるが、高気密が分からない。
高温多湿の自然環境にある日本の木造住宅は、湿気を溜めない様に、呼吸できる様に造られるべきで、気密なんてもってのほかだ!
気密の意味が分からない人達は、「気密」という言葉のイメージに捕われてしまいます。
そこで、ハウスメーカーは戦略的に「高断熱・高気密」という言い方はやめて、「外張り断熱」という言い方をするようになりました。
勿論、それも高断熱・高気密工法のひとつなのですが、充填断熱という方法から外張り断熱にシフトしよう、というものです。
北海道の大学で充填断熱による高気密・高断熱構法、「新・在来工法」の開発現場に立ち会い、首都圏で独立後、高気密・高断熱住宅を手掛け始めて間もなく、外張り断熱に切り替え、その普及活動に勤しんで来たのは、ハウスメーカーがやっと今頃になって気付き始めている様に、充填断熱より外張り断熱の方が優れていたからではなく、高気密・高断熱住宅の経験のない首都圏の大工さんに「防湿気密シート」をきちんと施工するのは困難であると見極めたからに他なりませんでした。
即ち、外張り断熱は圧倒的に施工がし易く、施工不良箇所が発生し難い工法だった、ということです。