- 河野 英仁
- 河野特許事務所 弁理士
- 弁理士
対象:企業法務
- 村田 英幸
- (弁護士)
- 尾上 雅典
- (行政書士)
〜心臓用カテーテルの均等判断〜
Jan K. Voda, M.D.,
Plaintiff-Cross Appellant,
v.
Cordis Corp.,
Defendant-Appellant.
河野特許事務所 執筆者 弁理士 河野英仁 2008年10月31日
3.CAFCでの争点
曲線部が直線部に対し均等と言えるか
問題となったクレームの文言は625特許クレーム1等の「直線部」または「実質的な直線部」である。図1に示す第2直線部40はワイヤを抜いた場合、約1.5cm〜2.5cmの長さを有する直線形状となり、大動脈内壁に接する。この第2直線部40が直線であることで、カテーテル36の先端部46が左主心臓動脈30の心門に正しく位置することになる。
被告は当初直線部を有するカテーテルを販売していたが、特許成立前に、「直線部」を「曲線部」に再設計したXBカテーテルを販売した。この、再設計された曲線部がクレームの「直線部」に対し均等か否かが問題となった。
故意侵害が成立するか
地裁では、被告の行為は故意侵害であると認定された。しかしながら、その後に判示されたSeagate事件の故意侵害の要件に基づき判断した場合、地裁の判決を支持することが、妥当か否かが問題となった。(第4回につづく)