私が現役の頃、ダンサー同士で話した時に印象に残る会話があります。
それは私と同世代の或るバレリーナの方がお話しされた、この様なものでした。
「私は子供の頃からとても体が丈夫で、お腹が痛くなるという経験が自分に無かったから、学校でもお腹が痛いと保健室に行く様な子は皆信じられなくて『この子は嘘をついている』としか思えない自分がいた」
皆様はこのお話しから、どの様なものをお感じになられますか?
( ・・) ~~~
私がそこで感じたのは「そうか、健康である人というのは体の弱い人への想像力というものを持てず、思い遣りというものは持てないものなのかしら?だったらそれは良い事なのか、悪い事なのか?」という事でした。
( ・・) ???
つまりその時に私は「人というのは、自分に経験の無いものを正しく理解するというのは難しいのだなぁ!」という事を彼女の言葉から感じた訳ですね。
( ・・) ~ ☆彡★彡
ちなみに私は、幼い頃は良くお腹が冷えて年中腹痛を感じたり、又すぐ車酔いなどをし易かった体質の持ち主で、決して強い体質ではなかったのですが、プロのバレエダンサーになれたお陰で体質が変わり改善されたという経験の持ち主です。(これは人間の精神の力とは凄いものだと実感できた貴重な経験です♫)
ですので、私には体の弱い人の事も、又強い人の事も両方理解できるのだと思います。
(*^^*) ~ ♡
私の人生は不思議というか、どんなものでもいつも「両方を経験する」というバランスが常にあるのです。でも今振り返ると、それは自分の中での「他者への理解が深まる」という、視野の広がる経験の元になっていたのだと自分で良く分かります。
「他の人から同じ事を言われたらカチンと来るのに、エリカさんから言われると素直に聞ける」と言われる事が私には多いという事も、その様な経験を持っている事から来るのではないかと自分では自負するのです。
( ・・) ~ ☆彡☆彡☆彡
このお話しをさせて頂きながら、私がふと思い出した事。
それは「お釈迦様という方は、あまり強い体質の持ち主ではなかった」という事実です。
( ・・) ~ ☆彡
でもだからこそ彼は、人間、強いては "生命" というものの持つ苦しみや痛みを自分の事の様に敏感に感じられる事ができた繊細な方とも言えるのではないか?と私は感じます♡
でなければ、これほど慈悲・慈愛に満ちた真理を理解された方として、今日までその彼が残したものが語り継がれる事はなかったと私は思うのです。
☆_(_☆_)_☆
又私は最近の自分の食生活を通した経験から、この様な事も感じます。
それは例えばマクロビオティックで言われる「食べ物と身体の相関関係」などを発見理解した方は、とても研ぎ澄まされた繊細な体の感覚をお持ちだからこそ、知り得た情報ではないかと思えるという事です。
(^^✿
もしその方が自分の身体に鈍感であれば、その様な反応を体感するという事はできませんからね~。
でもその方のお陰で「食べ物と病気の相関関係」というものが解り、 それによりどれだけ多くの方が病気や不調から救われて来たのか?という事を考えれば、「体が丈夫であるという事」が単純に良いか悪いかという事は言えなくなるのではないか?
私はそう感じるのです。
☆_(_☆_)_☆
又ヨガではこの様な事も言われます。
「ヨガをやる様になると体が鋭敏に反応するので、一見体が弱くなった様に見えます。
でも今の農薬や添加物まみれの食品や過度な飽食を煽るビジネスが大流行するこの酷い環境の中で、ビクともしない体の方が異常なのはお分かりですね?
何を食べてもビクともせずに、腹の中におさめてしまうゴミタメみたいな人は逆から見れば内臓が鈍くなっているという事なので、まとめて病気をするのです」
(^^;
まぁ、この様にこの世には色々な捉え方があり、人間の数だけ色々なオリジナル体験がある訳ですが、世の中の真理に近付いて行けば行くほど「私達が "他者" と感じているものは全て自分自身でもある」という事に覚醒して行くのです。
それを考えれば、お互いに相手に優越感や差別など持たない「相手の経験している事に感謝する」という相互関係を理解できるのではないでしょうか?
だってあの世へ帰った時には、私達は皆お互いの経験を全て共有するのですから…。
(*^^*) ~ ♡
かわゆくユーモラスなこの子も私のお気に入り~♫
ちなみに彼が両手に目一杯抱えている果物は、全て天然の石からできています。
(^^♫♫♫
このコラムの執筆専門家

- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年