『敷・礼ゼロでも・・・家賃滞納で勝手にカギ交換 近く提訴』
2008/7/17の朝日新聞朝刊の記事です。
「家賃滞納した際、
鍵を無断で換えられ入室できなくなり違約金も支払わされた」
として、
新宿区にあるスマイルサービスという会社の物件の入居者が、
同社を相手取って損害賠償の訴訟を起こします。
滞納されると貸主としては死活問題になりますから、
何とか解消をしたいのは山々ですが、今時
「無断で鍵を換えるという行為が法的に認められていない」ことを知らない
不動産会社があることが驚きです。
(「一時使用貸借契約」として契約しているところをみると
確信犯かもしれませんが)
同社の賃貸物件(ほとんどがアパート)は
一部屋9-10平米のものがほとんど。
(実際入ってみると、この面積は本当に狭い!
ロフトがあるとはいえ生活スペースとは言い難い代物です。)
同社のHP を見ると、
入居時に必要なのは初期費用として3万円のみ。
もちろん敷金・礼金はゼロ。
その代わり家賃は通常の相場より2-3割高めに設定されていますが、
初期費用の安さで「若者や外国人に人気」(同紙)があるようです。
狭さを入居のしやすさでカバーしているという構図です。
しかし、初期費用が安く審査基準も低ければ、
それなりの人が入居してきます。滞納率も当然高い。
この会社の親会社は、アパート販売会社です。
アパートを作って、管理(別会社)をする。
賃貸募集を請け負っていたのがスマイルサービスです。
3社とも同じ住所にあり、実質的に同じ会社です。
親会社は高い家賃を保証し、物件価格を高く設定し
販売しています。
初期費用を安く、通常家賃を高くすることによって、
利回りの高い物件になる。
家賃保証料や管理費、清掃費などが非常に高いのは、
高くしてオーナーから徴収しないと、
滞納率の高さをカバーできないからでしょうか。
高い管理費を取るための口実かどうかわかりませんが
「訴訟になった場合の費用も当社が負担します」(HP)と書いてはあるものの、
まともに法的対応をやっていたのでは経費が追いつかないから、
力ずくで追い出す。
そこに法を逸脱した行為に走らせる要因があります。
日本では、すでに
1000万人が200万円以下の収入で生活しています。
働き盛りである31歳から40歳までの1900万人のうち
正規雇用者は1050万人(55%)。
残りのうち約40%が
非正規雇用(パート、アルバイト、派遣)か無職だそうです。
一方で将来の労働人口の減少を補うため、
外国人労働者の受け入れようという議論もあります。
年収200万円以下の層や外国人労働者に限らず、
すべての人へ住まいを提供することは、
不動産業としての使命でもあります。
ただ、こういう人たちは蓄えもなければ、安定的な収入も少ない。
使命感とは裏腹に、本音で言えば
借りてもらいたくない層でもあります。
PS.
スマイルサービは滞納の毎に
「生存確認出張料」という名目で15,000円を請求しているそうです。
このような請求をするのも法外なら、
何か事件を想像させるような
このネーミングもいただけないですね。
※会員に登録いただけると、
EMPが厳選した新着物件情報をその日のうちに毎日配信中。
最新版をご希望の方はご登録を。(登録無料)
⇒ご登録はこちらから
※手数料半額物件など多数掲載中。
⇒安心の不動産投資なら、EMP