他の税理士が投げ出した税務調査 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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他の税理士が投げ出した税務調査

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雑感 業務その他
最近、紹介された会社の税務調査の立会をしました。

紹介された時の話では、税務調査が原因でもめて、
税理士に契約解除されてしまった、ということでしたが、
実のところは、税務調査の最中に、前の税理士が
「私には責任負えない」ということで投げ出されてしまった案件でした。
そこで、私が税務調査を引き継いだ形になります。

その会社は、経理については、前の税理士に丸投げ状態で、
前の税理士も決算処理の具体的内容を説明していないようでした。
最初は、社長に説明しても数字嫌いの方で、やるだけ無駄だ、と
判断されたのかなと思いましたが、
細かい話を確認するために、社長と経理担当者を交えて打ち合わせしてみた
ところ、経理担当者のレベルはそこそこ高く、社長も具体的な仕訳となると
分かりませんが、お金の流れを把握しているし、
法律的にもかなり細かいところまで理解しておりました。

私は、前の税理士(社長の話ですとお一人でやっていて、かなりお忙しい
先生のようです。)の処理が、じっくりと腰を据えて判断した処理ではなく、
片手間仕事でほとんど吟味もせずに、機械的に処理しただけ、
という感じを受けています。

税務調査にも慣れていないようで、調査官がどこにポイントを置いて
調査に着手し、どこをターゲットに絞ってきたのか、わかっていない気がします。

税務調査は、納税者の権利を保護するためには、非常に重要な局面です。
我々税理士が、納税者の側に立って、支払うべき税金を隠すことはおかしいですが、
支払ういわれのない税金を支払うことがないよう、闘ってあげなければ、
税の素人であるクライアントが、税のプロフェッショナルである税務署や
その担当である税務調査官と対等に交渉できるはずがありません。

前の税理士は重課といわれておびえていたようですが、
重課になるような処理をしていなければ、おどしになりようがないですね。
おびえていたということはそのような処理をしていたのでしょうか。
元帳を見させて頂いた限り、一部に疑問のある経費があることは確かですが、
税務署が前の税理士に要求していた金額ではありえないはずです。
調査官もその点は理解してくれたように思います。
ただ、私も疑問に思う点については、闘えないですが、
もしその点が架空経費であったとすると重課になりますが、
そうであっても負担すべき税額は、要求額から減額されます。

今は調査官からの連絡待ちになっていますので、どうなるか判りませんが、
調査官の対応からすると、理由のある主張にはきちんと応えてくれる
のではないかと、期待しているところです。