
- 石川 智
- オフィス石川 代表
- 高知県
- ファイナンシャル・プランナー
対象:家計・ライフプラン
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
こんにちは、石川です。
今年の流行語大賞。
この候補にノミネートされていたのが「下流老人」でした。
さすがに、この言葉の意味するものは「重たい背景」ですから、受賞をあえてしなかったのかなぁ、なんて穿った見方もしてしまいました。
それくらいインパクトがあったのも事実だと思います。
この下流老人や老後破綻という言葉、皆さんはどう受け止めているでしょうか?
「大げさな!」
「私には無関係」
と思われる人もいるでしょうが、実際に私が経験した事から、ご判断いただければと思います。
私の仕事は、「家計の専門家」、ファイナンシャルプランナーです。
いわゆる「現役世代」の家計の見直しアドバイスや、保険相談などを主な仕事としてきましたが、ここ数年、縁があり、終活の講演会で講師をしてきました。
このような終活講演会には、退職した方から80代までの「元気なお年寄り」が沢山いらっしゃいます。
多い時は150人ほどの参加者を前に、面白おかしくお話させていただくわけですが、皆さん身を乗り出して「終活」に関することを学んで下さいます。
そのパワーたるや、私もタジタジになるほどです。
今年も終活講演会を何本も行ってきたわけですが、それと平行して新しく取り組み始めた仕事もあります。
それが「生活にお困りの人への家計アドバイス」です。
地元の社会福祉協議会をお手伝いする形で、この仕事をさせていただいているのですが、この現場でショックを受けることがよくあります。
それが
「高齢者の生活困窮者が、予想外に多い」
という事実なんです。
例えば、70代で生活保護になる人、80近くになり貯金が0になってしまった人、60代で税金の滞納や多重債務に苦しむ人などなど。。。
私たち40代が、幼い頃に抱いていた、悠々自適の「お年寄りの生活」とはかけ離れた人が、「普通に」いるという、このことを、皆さんはどうお考えになるでしょうか?
そんな方たちのように生活に困窮している高齢者もいれば、私の講演会で楽しそうに過ごす高齢者もいる。
このギャップを「家計の専門家」として「それは極端な例でしょう!」とは、とても言えないのです。
なぜならば、生活に困窮している人がそうなったきっかけは、本当に些細なことからというケースが少なくないからです。
誰もが下流老人や、老後破綻するとは決して言い切るつもりはありませんし、不安を煽るつもりもありません。
しかし、今の現役世代、特に40代、50代の人に言いたい事は
「終活には二つのパターンがあり、どちらのパターンにあなたが落ち着くかは、高齢者にならないとわからない」
ということです。
ですから、終活世代になる前に
「できる限りの経済的準備・家計管理能力」
「病気になかなかならないような健康的な身体」
「仮に高齢期に一人になっても、普通に生活できるような日常生活のスキル」
を、必ず、手に入れて欲しいのです。
そして、これこそが、本来するべき「退職準備」ではないかと思うのです。
そんな事を流行語大賞のニュースを見ながら考えてみました。
ではまた、お会いしましょう!