等越えるべきハードルは非常に高いです。
実際この就業規則変更という手段で給与だけでなくその他の労働条件の変更が可能となりますが、こと「給与」については、労働法が基本的に従業員保護を目的としており、給与減額が従業員の生活に直結する重要な契約内容(約束事)であることから、よりシビアなプロセスを会社側に要求しています。
要は かんたんには減額できない ということです。
従業員一般のお話になってしまいましたが、話を兼務役員の給与に戻すと、給与減額を就業規則変更により行うには(一般従業員同様)こうした煩雑かつ困難なプロセスが求められることから、役員については一般従業員とは切り離した給与規定等を作成、あるいはすべて役員個別の契約にするなどし、別プロセスで交渉するほうがよいでしょう。 ただそうしたとしても、従業員として受ける給与については先にお話した役員以外の一般従業員と同じ考え方をとる(労働法の規制を受ける)ため、減額の際の同意取得プロセスは何ら変わらないわけでやはり減額には困難が伴います。
このように、人を雇うリスク とそのマネジメントは事業運営上決して軽視できない要素であり、事業を始めるにあたって事業のビジョンに照らし労働力と賃金コスト、付随するリスク(例えば「訴訟リスク」)を充分吟味し、雇用形態の戦略的選択(正規雇用か派遣・業務委託などの非正規雇用かなど)が必要です。
今後少子化・労働力人口の減少等社会経済情勢、急速に変容する労働立法等の背景から「雇用」に関連するリスクは確実に拡大・加速傾向にあります。
(次コラムへ続く)
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