傾きマンションにさせたのは誰が悪いの? - マンション売買 - 専門家プロファイル

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傾きマンションにさせたのは誰が悪いの?

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■分譲マンションの瑕疵担保責任は売主が負う!




連日の報道で傾斜したマンションの話題が絶えない。

その報道には施工会社、その下請けが悪いとの話だ。


当然、その工事を施工したものは責任重大である。

しかし、不動産の売買の中でいわゆる宅建業者、つまり、今回はマンションデべがその瑕疵担保責任を負うことになる。


だが、数日間の報道等をみるかぎり、売主の対応がいやらしい感じだ。

問題発覚のコメントでは、杭の工事を是正して対処すると、いかにもその場限り的な発想であったが、そう言っていた翌日には心境の変化か、やっぱり建て替えもするという発言に代わっている。


当初は、費用負担を最小限にしようと考えていたが、ことが大きくなってすり替えしたとしか言いようがないコメントだ。

これでは、売主はとうてい信用できないということになる。


結果的には売主には義務はないが、施工に関しては監理不十分ということになる。




また、売主のコメントは施工した某建材会社が悪いと言わんばかりで、自分らは何ら悪くないという印象を受けるコメントが散見される。


こうみると、売主はその字のごとく「売るだけの主」で施工は関係ないと聞こえてくる。


不動産の売買の世界では、いわゆる宅建業者が売主の場合にはその責任は重く、一定の瑕疵担保責任は10年となっている。


つまり、あくまでも売主がその責任を負うのだが、その際の施工会社等の責任は買主、つまり今回のマンションの所有者には関係がないということだ。


しかしながら、建て替えの費用負担は全部某建材会社にもってもらうという、費用の負担をだれにさせるとか、傾斜した原因の犯人はだれか?という話題が多く目につく。


勘繰れば、「うちは関係ない、悪いのは施工会社だ」と売主に極力責任が及ばないようにしていると聞こえて仕方がない。

しかし、売主には重大な責任があることを改めて認識しなくてはいけない。


考え方は単純で、売主がきちんと責任を負い、建て替えするのか買い取りするのかなど、売主が誠意をもった対応を所有者とすべきことであり、施工会社が悪いなどのやり取りや、是正の費用負担の問題は売主とその施工会社で話合い、各々で善処すべきことである。


買主、つまり所有者にとっては、責任の所在はあくまでも売主であり、施工会社云々はある意味関係のない話だ。


こうした一連の経過を見ると、それぞれの企業風土があからさまに出ている気がする。

ある意味、所有者の怒りが収まらないのは当然である。


■企業風土は何を意味するのか?


歴史ある国内の大企業でありながら、このところの不祥事が多い。

東洋ゴムしかり、東芝しかり、遡ればニチアス等々・・・


大企業にありがちな考え方。

自社の常識は世間の非常識。


この考え方が蔓延していると、正しい判断が出来にくくなる。

実に悩ましいものだ。

サラリーマンをしていた時代によく思っていたこと。


上司は白といえば、白、黒といえば黒。

こうなると、おかしな企業になっていく。


今回の槍玉に上がっている某建材会社。

グループの某ハウスメーカーにも建材納品や杭の工事を施工している。




このグループの某ハウスメーカー。

契約書の件で消費者団体から相当な指摘を受けた。


受けた当初は間違っていないような言い分だったが、実態があからさまになると方針転換して是正に応じるようになった。


某建材会社の体質はグループ全体の体質なのか?と感じてしまう。

社員の倫理感を疑う行為が散見される。

だから、問題になって最後には信用も含めた損失は多大なものになってしまう。


■売上至上主義が招く大きな損失


近江商人の有名なことばに「三方よし」ということばがある。

これは、売り手よし、買い手よし、世間よしということを意味し、売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であると言っている。




どうだろうか?

この売主、施工会社、下請け会社。

売り手よしばかりを追及してしまうと、結果的は「買い手よし、世間のよし」という訳にはいかないようだ。


そのほかにも、利真於勤、陰徳善事など近江商人の心得や理念がある。

近年では、京セラ創業者の稲盛さんの「利他の心」という理念も同様なものである。


どんな企業でも本来はこうした考え方をもっていたはずだろう・・・


今回に関わる一連の企業すべては、早急にまずは、買い手よし、そして世間よし、となってほしいものである。


■マンション購入や注文住宅のセカンドオピニオン

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