認知症は進行性の病気なので、なるべく早く治療を開始することによって、進行を遅らせることができます。年だから仕方ないと放置していると、夜泣きや粗相がひどくなって、手がつけられなくなってきます。さらに、症状がひどくなると効果のある治療法が少なくなってきます。
動物放棄の理由の中には痴呆症によって「夜泣きがひどくなって飼い続けられなくなった」というものもあります。現在は法律で『終生飼育』が義務付けられたので、飼い続けるのが大変になったから放棄したいとうことはできません。最期まで飼い続けられるように早期発見、早期治療が求められます。
では、どのようなところを見たら、良いのでしょうか?
①体の状態を見てみましょう。急に痩せてきたり、ふらつきはありませんか?
②動物病院での健康診断は年に2回程度は受けましょう。血液検査などに異常はありませんか?
③日常生活で混乱したりしていませんか?
④家族や人や動物とのコミュニケーションに変化はありませんか?
⑤睡眠のリズムに変化はありませんか?
⑥排泄の失敗が多くなりませんか?
⑦活動が低下したり、怖がることが多くなったりしませんか?
上記のことで、一つでも気になることがあったら、認知症が始まっているのかもしれません。最期まで一緒に暮らせるように、早期発見、早期治療を行いましょう。
このコラムの執筆専門家
- 千田 純子
- (千葉県 / 獣医)
- ペット行動コンサルタントSENDA
科学的な理論を基に人と動物が共生できる方法を提案します。
ペットの犬や猫の問題行動の予防や改善のためのコンサルテーションや個人トレーニング、グループトレーニングを行っています。当しつけ教室の卒業生には、老人福祉施設や病院、緩和ケア病棟でセラピー犬として活躍しているワンちゃん達もいます。
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