- 前田 紳詞
- 代表取締役
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
一旦ほぼ出つくした危ない企業の淘汰
連日、金融危機の報道がトップニュースでされています。
これだけ続くと多くの人が不安を感じていて、こちらにも相談が多数寄せられます。
先日もニューヨークに行って現地の状況を確認してきましたが、現地で危ないといわれていた金融機関、AIGからメリルリンチ、ワシントンミューチュアル、ワコビア等、すべて業界から消滅することになりました。
またGMにも”エネルギー対策の一貫”という名目で米国政府から資金供給が決まっています。
これで9月第3週に現地で経営危機が噂されていた企業は出尽くしました。
その後、新しい名前を聞かないので、業界大再編ほぼひと段落ついたということでしょうか。
ただ今後も警戒は必要でしょう。
今こそポートフォリオの確認と再構築を検討
こういう怖い状況だと多くの人が次のような行動をとりがちです。
特に投資をしている人は以下のような行動をとっています。
1.たぶん、これ以上はもう悪くならないだろうから、とりあえず今は様子見でほかっておこう。
2.どうなっているか怖くて見れない。だからほかっておこう。
かつて私は ”ITバブル崩壊”を経験しました。
そのときに上のような行動をとり大きな痛手を被りました。
やるべきことは
”現状分析と資産の再構築”
です。
まずは現状分析
今、自分が持っている金融商品が何パーセント下落しているか調べましょう。
それを「株式」「債券」「不動産」「為替」「商品」などのカテゴリーに分けましょう。
その際、「国内」と「海外」に分けることも必要です。
「海外」に関してはエリアごとに分ける必要があります。たとえば「米国」「欧州」「アジア」「オセアニア」といったようにです。
それらをグループ化して全体としての状況を把握します。
これまでいろんな方の資産を見てきましたが、分散投資が大切と考えながら、このように自分の資産をグループ化している人はあまりいませんでした。
これを機会にしてぜひ実施してください。
捨てるものと残すものを分ける
次に現在、及び今後の景気動向などから、その資産をどうするかを決めます。
必要とあれば売却し、他方買いなおす必要があるでしょう。
それにより資産構成を再構築します。
現状のような状態では現金比率を高くすることも方法としてあります。
すべてを一か所に集中するのではなく分散化でリスクの低減を行います。
定期的なチェック
通常な経済状態であればポートフォリオの資産チェックは1か月から3か月ごとで十分です。
現在は異常な経済状態が続いているため1週間から2週間ごとのチェックが必要です。
そこから必要とあれば買い増しをしていきましょう。
このような混乱期こそ、長期投資で考える個人投資家には
”大きなチャンス”
があります。
投資の基本である”安値”で買うことができます。
そのためには”現金”も必要です。だからポートフォリオにおける現金比率をやや上げておく必要があります。
長期的に考えれば現在の金融危機による混乱も1年から長くても10年で終わりを遂げます。皆さんの人生は何十年もあるため将来への資産形成を考えるならば大きなチャンスになります。
たとえば1929年の大恐慌では株価が80%下がりました。しかしこの時に株式投資をした人たちは10年から20年後には大きな資産を築くことができました。
ぜひ、この金融危機を”怖い”と思うのではなく、”チャンス”と捉えて、うまく乗り切っていただけるように願います。