築地に程近く、市場で買ってきた魚をさばくことも多いというクライアントのご主人。シンクのあるテーブルを部屋の中央に置いたモダンなアイランドキッチンですが、割烹の厨房で賄いを食べるようなイメージでつくりました。シンクのまわりにはハイスツールが置かれ、軽めの食事をとることができます。ダイニングキッチンとして、家の中心的な役割の部屋ですね。
壁側のカウンターにはロジェールのガスコンロをつけました。その右隣はサービスバルコニーへつづく勝手口と冷蔵庫。食器棚は業務用キッチンをつくる某メーカー製の吊戸棚とカウンター収納を備え付けました。質実剛健な雰囲気とともに丈夫で大容量の収納です。写真にはちょっと写っていませんが、シンクの右下にはミーレの食洗機もついています。
ステンレス製のキッチンは好き嫌いがあると思いますが、厚みのあるステンレスを使えば、しっかり感のある、見た目にも本物の美しさが感じられる仕上がりになると思います。ステンレスは使っていくうちに徐々に傷がついていきますが、使い込んだ感じが味となって深みが増していく素材ですので、長きにわたって使う住宅のキッチンにはおススメの素材だと思います。
台所の奥につづくのは、床を一段高くしてあるお茶の間です。
琉球畳が広がり、そのまた向こうには運河が見えます。
村上建築設計室