- 山本 俊樹
- インテグリティ株式会社
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
- 吉野 充巨
- (ファイナンシャルプランナー)
低迷が続く日本株式市場
株式市場の低迷は続いている。予想したとおり、サブプライム問題の根は深く、次々と新たな懸念材料が出てきてはマーケットが踊らされているようである。
懸念していた住宅公社GSEの救済策が発表された翌日は400円を越える上げを見せたが、すぐに軟化。今度はリーマンブラザースの経営難が伝えられると再び急落するなど上昇トレンドを形成するどころか、常に下値を試しに行くマーケットとなっている。
それは、サブプライム問題だけではなく、福田首相の突然の辞任による政局不安、為替市場の資金変動による円高などが重なり、投資マネーが株式市場に向わない状況となっている。これは日本に限ったことではなく、世界マネーが株式市場から資金を引き上げ安全資産への投資に向っているのである。
国内の景気動向も、企業収益が落ち込むなど益々悪化傾向にあり、明るい材料を探すのが難しい。ただ、原油価格が急落したことにより、ガソリンなど消費にとっては明るい材料である。また、円高も対ユーロで急激な円高になっているものの、ドル円では105円台を割り込んでいないことは日本経済にとっては救われている。
チャート的に見れば、12000円を大きく割り込むことなく、底固めをしているかにも見える。中長期的には現在の日本株式市場は底値圏にあるといっていいであろう。新興国の株式市場が高値から半値程度にまで急落するなど、急速に株式市場から資金が逃げ出しているが、長期スタンスとして優良銘柄への投資のチャンスと見ていいのではないだろうか。
この1ヶ月間は、欧米アジアすべて景気後退懸念に捉われ過ぎている感があり、悪材料を実体以上に織り込みすぎているように思える。少し落ち着きを取り戻し、キッカケさえつかめれば相場の流れは好転する可能性はある。それは、景気の回復現象でなくとも、これ以上の悪化は食い止められる徴候でもマーケットには効果があるであろう。
予想レンジ:11,000−12,500