- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
カナダの大学に留学を希望している高校生のみなさん。
まずは、日本とは想像もつかないほど異なるカナダの教育制度を知ること。
これが必須です。
2015年度国連の「世界幸福度ランキング」で、カナダは5位に入っています。
”人生の選択肢の多さ”が大きな要因です。
一方、そんな「選択肢の多い教育制度に適応」するためには、単に日本の高校を普通に卒業しただけでは能力が足りません。
簡単にカナダの大学に進学出来ると簡単に考えていると当てはまる方は、このコラムを読んでじっくり再考し、後悔しない計画を立てて下さい。
【カナダの大学では、独立して自分の考えで、コーススケジュールを管理出来る人が成功します。 個人の自由に合わせるのがカナダの教育制度です。
向いている人には素晴らしい制度ですが、日本のように、既成のスケジュールでみんな一緒に勉強する以外の経験のない人は迷ってしまう制度です。】
1. 入学する時には、専攻を決める必要はありません。
(もちろん、明確に専門分野への希望がある場合はそれなりのプログラムに入学出来ます。)
自分の興味のあるコースを選び、取りあえず何でも取り始めることが可能です。
日本の大学の一般教養のように、表面的な浅いコースではなく、すべてが専門分野につながる本格的なコースです。
自分に向いていると思ったコースは次のレベルのコースを履修。
「いや、違うかな」と思ったコースはそこでストップ。
大体30~60単位を終わる頃には、自分が何を専攻したいのかが見えて来ますので、そこからいよいよ専門分野の学位取得に向けてのコース選びが始まります。
それでも、どうしても勉強したい分野を一つに絞れない場合は、ダブルメジャー、つまり専攻をふたつ選ぶことも可能です。
Business Administration とPsychology とで、Business Psychology.
StatisticsとEconomics のダブルメジャーなど、色んな組み合わせが可能です。
または、どちらかをメジャー、ひとつをマイナーという学位の取り方も出来ます。
とにかく個人に合わせて、制度が柔軟に対応してくれるのが特徴。
日本のように、決まった型枠の中に入り、そのカリキュラムをみんなで履修なんてことは考えられません。
2. カナダの大学には入学金は存在しません。 一年ごとに決められる学費もありません。
日本の大学の入学金は、謎ですね。
いつまで、日本の大学は親から意味のわからないお金をむしり取り続けるのでしょうか。
カナダの大学には、そんなものはありません。
授業料も、例えば一年生みんなが決まった年間授業料を払うなんて、日本の大学の方法は時代遅れも甚だしいです。
カナダの大学は、自分の取ったコースの単位数に金額をかけたもの。
ひとりひとり、また、学期ごとに個々の学生によって異なります。
3.休学したい時には、コース登録しなかったらいいだけ。 29年以内に戻ったらまたそこから勉強を始めることが出来ます。
全く個人の自由なスケジュールに大学が合わせてくれます。
3. カナダのどこの大学で取った単位でも、他の大学に持っていくことが可能です。
州ごとに決められている単位の互換ルールはありますが、学生が交渉さえすればほとんどの場合、単位の移行が可能です。
アメリカの大学への移行も可能です。
自分の取ったコース内容、成績を基に交渉する能力があれば、かなり柔軟に使えます。
4. 授業は、実際に出席する形か、オンラインかを選ぶことも可能です。
アルバイトをしながらでも、または日本に帰国中でも、オンラインで単位を取り続けることが可能です。
そのためには、かなりの強い意志が必要なことも強調しておきます。
【日本の高校卒業後、カナダの大学を希望する人に必須なのが、かなり高い英語の能力です。
カナダに生まれ、英語で育ち、英語で教育を受け、クリティカルシンキングの運用能力を備えた同年代の若者と同じレベルの大学に行くわけです。
日本の高校卒業した程度の英語力では、全く通用しないのは当然なのはおわかりですね。】
1. 英語能力テストでの高得点がないと、大学入学は出来ません。
例えばTOEFLiBTであれば、90点程度必要です。
日本人全体の平均63 (世界では103/113位のお粗末なスコア)を考えると、かなりのチャレンジであることがわかりますね。
(*TOEICは使えません。 満点を取ってもレベルに達しないからです。)
2.英語のレベルが足りない場合は、ESL(外国人のための英語)コースで準備することになります。
大学が直轄しているESLコースに入学すること。
これが必須です。
ESLコースはレベルで分けられています。
例えば、TOELiBT 80 以上であれば、ESLを取りながら大学の正式コース履修も可能;42以上でないとESLにも入学を許可されないとか。
かなりの準備をし、カナダに渡る日本の高校卒業生でも、ESLコースで半年から1年勉強することが必要です。
まだまだすべての点でレベルに届かないからです。
従って、すぐに大学に入れるわけではなく、1年程度(あるいはそれ以上)のロスタイムがあることを事前に理解しておいてください。
その分、時間も費用もかかります。
ESLの足切レベルとして使われている、TOEFLiBTスコア42あたりまで届かない人は、残念ですがカナダの大学への進学は非現実的です。
英語の能力が足りないということで、日本での進学をお勧めします。
注意:業者がリベート欲しさに斡旋するいわゆる「語学学校」には絶対行かないように。
大学どころか、どこにも辿りつかずに数年授業料だけ払って帰国。。。という羽目になってしまいます。
2. 高い英語能力のみならず、クリティカルシンキング思考法の運用能力も必須です。
カナダの大学は、この思考法を完成させる場所でもありますので、クリティカルシンキングが何なのかもわからないレベルでは、授業についていけません。
日本の中学・高校在学中に英語とクリティカルシンキングの訓練を時間を十分かけて行うことが、カナダでの大学進学成功の鍵となります。
【日本の中学生・高校(1年生)のみなさんで、カナダでの大学進学を希望している方は、高校からの留学も視野に入れるといいと思います。
上でも述べたように、カナダの高校までの教育制度は、大学で通用する広い能力をつけることを目的としていますから、そこで訓練を受けることは大きな利点となります。】
1. 英語の環境でクリティカルシンキングの運用能力をつけることが出来ます。
日本での訓練とは異なり、クリティカルシンキングのある社会で生活し、クリティカルシンキングを使う同級生と友達になり、クリティカルシンキングを徹底的に使う学校教育の中に入ります。
日本の高校の古い丸暗記教育から離れるだけでも、脳は急に活力を取り戻し、多方面の角度からの思考が可能になっていきます。
これも利点ですね。
2. カナダの高校教育の内容は、大学のカリキュラムとつながっています。
高校12年生の内容は、大学の最初のレベルの内容と一貫性を持っており、例えば12年生の生物でB+以上を取っていれば、大学の最初のレベルを飛ばして、次のレベルを履修できるなど、大きな利点があります。
(日本のように、高校まではただ暗記して受験。 そのあとの大学教育の内容とは全く切り離されている制度とは全く異なります。)
日本の高校を卒業してカナダの大学に向かう学生には、1年程度のロスタイムがあるのと比べると、大きな利点となります。
カナダの高校の12年生レベルで良い成績を出すと、大学の期間も費用も抑えることが可能となります。
3. 注意:カナダの高校に留学し、卒業に必要な単位をすべて取得するためには、かなりの準備と適性、能力と適格なサポートが必要です。
誰にでも可能な簡単な選択肢ではないことをよく理解してください。
日本の学校制度でも自分の能力を出し切っていること
自分の特性をよく知っていること
常識的な行動が取れ、精神的に独立出来ること
親が過保護でないこと
まずは、これらの資質が必要です。
その上に
英語の能力があること
クリティカルシンキングの基本があること
は必須です。
4. 注意:カナダは州ごとに高校卒業規定が異なります。 州によっては、すべての単位を履修するのに、日本から留学した場合4~5年かかるところがありますので、留学前によく調べること。
日本の高校の何年生の時に留学しても、そこから卒業単位を取り終えるのには最低でも3年かかることにも注意してください。
ですから、日本からカナダの高校に留学する場合は、高校1年生の9月または1月が最適です。
(カナダの大学へ進学するさいの有利さを考慮し、ロスタイムを最初から覚悟しての留学の場合は個人の希望によります。)
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大学卒業を目指す「留学」は簡単ではありません。
特別な資質を持ち、特別な準備をし、特別な努力が出来る人に開かれている進路です。
しかし、その進路に立てる人には、人生への大きな財産となる知識・能力・スキルが手に入る魅力的な選択肢です。
十分準備をし、成功する留学を目指してください
Good Luck!
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Super World Club の生徒(オンライン生も含む)は、重ねての質問・相談はいつでも直接連絡してください。
個人に合わせた準備・留学プランを話し合いましょう!
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Virtual Teaching を駆使し、 カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの能力をつけた生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」で自分本来の能力を発揮中です。
Super World Club(大澤眞知子、Robert McMillan)
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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