- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
以前、AllaboutのQ&Aで「打ち放しコンクリートのメリット、デメリット」についての質疑があり、建築家諸氏がサンドイッチ工法について書かれていたが、この家は正にそのサンドイッチ工法で建てた家である。
正しくは、増築したLDKなのだが、丸いケーキの四分円を切り取った形をして2層分吹き抜けている。
ただの打ち放しコンクリートを丸くするだけでも結構大変なのだが、サンドイッチ工法で丸くするのはエラく大変である。
普通なら躯体となるコンクリート壁面の外側に断熱材をセットして、コンクリートを打ち込み、化粧となるコンクリートは、その上からまた型枠を組み、再度打ち込むのが常道だが、ここでは、型枠の中央に断熱材をセットして、内外のコンクリートを一気に打ち込んでいる。
基礎と壁をコンクリートとしたが、屋根は木で葺いている。
切り取られた四分円の部分はデッキテラスとし、木製サッシでガラス張りになっていていつも明るい。
熱損失が大きいため、トリプルガラスとし、窓廻りの床にはガラリを切って、床下放熱器でペリメーターゾーンの熱負荷をカバーしている。
冬、暖かく、夏,涼しいコンクリート打ち放しの家である。
竣工して6〜7年になるが、コンクリートのブルータルな表情が変わらず活きている。