「あら、あそこのホームセンターって閉店になるのね。まあ、アレじゃあ閉まるのもあたりまえよね~」
いつも私よりも何倍も手厳しい妻が新聞折込のチラシを見ながら言いました。
「あそこのホームセンター」とは、私の自宅に近いJRの駅前にある大型スーパーが、隣接する自店舗の2号館に数年前にオープンさせた店のことです。
この2号館は、元々はアパレルや雑貨店などが入るテナントビルの形で営業していました。
しかし、テナントの空きが増えてきたことが原因してかどうかはわかりませんが、今から5年ほど前、フロアを改装し、2フロアにユニクロや無印良品を入れ、別の2フロアをホームセンターとして再オープンしたのです。
私は、マクドナルドの店長時代からホームセンターにはほぼ毎週出かけ、店のメンテナンスに使う道具を良く物色していました。それ以降も、車生活が続いているときは、休日のドライブ先はカー用品店かホームセンターとほぼ決まっていました。
そんな私が、東京に引っ越してきてからは、車に乗る機会減ったため、とうとう車生活に別れを告げて、電車やバスでの移動がメインとなったのです。その為、ホームセンターには気軽に行くことが出来ないようになり、その鬱憤はもっぱら、都心の東急ハンズやロフトではらしていたのです。しかし、東急ハンズもロフトも時代の流れに沿って徐々にバラエティショップ化して行き、もう私を楽しませる楽園は無いのか・・・と思うようになっていました。
そのため、この駅前のホームセンターのオープンは、とても嬉しい出来事だったのです。
しかし、オープン直後にウキウキしながらのぞいたその店は、私の気持ちを愕然とさせたのでした。
「中途半端」
愕然としたその印象は、正しくこの一言に尽きます。
この店は、ホームセンターとは呼べないような品揃えの店だったのです。
なぜならば、ホームセンターに期待するような専門性豊かなDIYの道具類はほとんど無く、隣接する大型スーパーにも置いてあるような、雑貨、文具、家庭用品、電化製品が並んでいるだけなのです。
「こんなレベルでは『ホームセンター』という名前で営業してはいけない」と、おそらく多くのひとが思ったことでしょう。
もちろん、この町には彼らの競合である郊外型の大型ホームセンターがあります。
でも、車でないとチョット不便な距離なのです。
一方で、この店は、JRの駅の目の前にあります。そして十分な広さがあります。
町自体は、郊外ではありますが開発が進み人口はどんどんと増えています。
しかし、全ての人が車を使う訳ではないのです。
それを証拠に、隣接するスーパーの方は繁盛しているのです。
どういう人をターゲットにして、どう言う商品を置けば良いかはすぐにわかるはずなのです。
でも、彼らはそれをしてきませんでした・・・
結局、この5年間何度も売り場改装をしながらも、結局は、常連になる可能性のあった私が期待した専門性豊かな売り場作りは実現出来ずに、とうとう閉店することになったのです。
母体は日本を代表する大型スーパーチェーンです。でも、運営する人達には、基本的なマーケティングの知識や実行力は無かったようですね。
自分達の店が、だれを相手にだれを喜ばせるために存在するのか?
それは、手前勝手な考えではなく、自分達の周りの環境や競合、住民や働く人達をよく観察し調査し分析した上で決めなくてはなりません。
個人店では良く陥りがちな、この「ひとりよがりマーケティング」の罠に、大型スーパーチェーンでさえも陥ってしまうんですね。
他山の石ながら、良い勉強をさせて頂きました。
いやはや、それにしてももったいないお話しです。
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