税制改正メルマガ④

平成２６年１２月３０日に発表された、平成２７年度税制改正大綱から、大家さんに影響がありそうな税制改正を、ピックアップして解説します。

税制によって大家さんの経営に大きな影響が与えられます。どのような改正が行われようとしているのか確認しておきましょう。

なお、税制改正は、まだ正式に決定されておりませので、ご注意ください（例年３月の国会承認で決定）

今回は、法人税その他の税制改正を中心に解説していきます。

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●法人税の改正
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（１）法人税の軽減
平成27年4月1日以後開始事業年度の法人税の税率を25.9％から23.9％に引き下げる。

中小法人の年800万以下に対する軽減税率を19％から15％にする措置を平成29年3月31日まで2年間延長する。

（２）繰り越し欠損金の見直し

繰越控除の控除限度額を控除前の所得の80％とする措置を段階的に引き下げる。

平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間　65％
平成29年4月1日以後　50％

中小企業の控除限度額100％は存置する。

青色申告書を提出した場合の繰越欠損金の繰越期間を9年から10年に延長する。

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●期限後申告の無申告加算税がされない期間
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平成27年4月1日以後に法定申告期限が到来する国税について、期限後申告でも、自主的に行われている場合に無申告加算税を課さない期間を、法定申告期限から2週間以内から、１月以内に延長する。

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●日本国外の親族の扶養控除の証明書類の義務化
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平成２８年以後、外国に住む親族を扶養し、扶養控除等の適用を受ける場合には、戸籍の附表の写し、パスポートの写し、生活資金や教育資金が海外送金されている事実を証明する書類を添付しなければならなくなる。

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●ふるさと納税の拡大
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平成２７年から、ふるさと納税の控除限度額を現行の２倍に引き上げる。

平成２７年４月以後に行われる寄付については、確定申告不要な給与所得者等が行う寄付について、ワンストップで控除を受けられる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設される。

ふるさと納税が活用されることにより、地域活性化や人口減少対策の効果が期待できることから、拡大するものです。

例えば、所得500万円、所得控除105万円の場合、２千円の負担で寄付できる上限は、現行では５．９万円ですが、改正後は約１１万円になります。

しかし、返礼品目的でふるさと納税が活用されている現状を危惧し、制度の趣旨を踏まえた良識ある対応を各市町村等に要請するようです。

具体的には、次の行為についてです。

（１）募集に際し、対価の提供との誤解を招きかねない行為

・「返礼品の価格」や「返礼品の価格の割合」（寄付額の何％相当など）の表示

（２）ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品（特産品）送付
・換金性の高いプリペイドカード等
・高額又は寄付額に対し返礼割合の高い返礼品

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●国民健康保険税の上限増額
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国民健康保険料の上限額を平成２７年度から引き上げる。
医療分　52万円（現行51万円）
後期高齢者支援分　17万円（現行16万円）
介護分　16万円（現行14万円）
合計　85万円（現行81万円）

毎年毎年上限額が上がってます。
すぐに上限額に達してしまう現在の計算方法では、税金以上に負担になることが多いです。

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〇大家さんへの影響と対応策
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相変わらず、法人税だけが減税傾向にあります。
今回の改正により、法人税の実効税率（法人税、事業税、住民税合計の負担率）が、現行34.62％から、平成27年度に32.11％、平成28年度に31.3％になります。

さらに平成28年度以降の税制改正で20％台まで引き下げることを目指して改革すると記載されています。

今後も減税傾向です。

さらに、中小法人に係る軽減税率も延長され、中小企業で800万円以下の所得なら、実効税率が約20％程度になります。

法人に対してはどんどん減税が進むので、特に、給代ベースが高いサラリーマン大家さんは、法人で物件を購入していかれる方がよいと考えます。

国民健康保険の上限も上がるので、場合によっては、法人化して会社の社会保険の方が低く抑えられるということもあります。

ちなみに、国民健康保険は、世帯単位で支払うことになり、会社の健康保険は、給与をもらう方が給与金額に応じて支払うことになります。

法人化する際は、健康保険の違いにも着目して、設立するか判断されるとよいでしょう。

渡邊浩滋総合事務所では、健康保険のシミュレーションまで行って、法人化の判断をしています。

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