「戦場写真家の心」
「レンズの眼を持つ哲学者」
そう呼ばれる、一人の写真家がいます。
いまも世界各地で引き起こされる戦争。
その苛烈な戦場に身を投じ、
極限の状況にある人々の姿を写真に収め、
戦争の悲惨を世界に伝え続ける
戦場写真家、ジェームズ・ナクトウェイ。
彼の活動を伝える映画、
「戦場のフォトグラファー」において、
ナクトウェイは、次の言葉を語っています。
写真家として最も辛いのは、
他の誰かの悲劇で得をしていると感じることだ。
この考えは、常に私につきまとう。
人々への思いやりよりも、
個人的な野心を優先すれば、
私は、魂を売り渡すことになる。
人を思いやれば、
人から受け入れられる。
そして、
その心があれば、
私は、私を受け入れられる。
ナクトウェイが内省的に語る、この言葉を聞くとき、
我々は、自分の心の中にある、
密やかな野心やエゴの存在に、気がつきます。
そして、そのことに気がつくとき、
ナクトウェイという人物の強さが
いかなる強さであるかに、気がつきます。
自分の心の中の、
野心やエゴの姿が、見えている。
そのことが、彼の強さであることに、
気がつくのです。
(※「自分であり続けるために」 田坂広志 著 より)
何か、真夏の空の様に見えませんか~?
真冬の空なんですけど♪
(^^✿
人間というものは、どうして自分の中のエゴを見るのがそんなに厭なのでしょう?
エゴの無い人間など一人もいないのに…。
(もしいたとしても、そういう方は人間として生まれてこの世で修行する必要はありません!笑)
自分の表面をキレイに飾り立て、自分には「エゴなど無い」という顔をしながら、
他人には、まるで重箱を突つく様に「欠点」を探し回る "偽善者" 達。
ご自分の中のエゴは、決して直視しようとはしない臆病で狡猾な "演技者" 達。
それが人間というものの、汚く情けない所でもあり、又恐ろしい所でもあり、
そして、とても哀しい所なのだと私は感じます。
( ・・) …
人の事より、まず自分の中のエゴを自身でキチンと直視できる事。
それが本物の「強さ」ではないかと思います。
《 ゚Д゚》☆彡
人としての「強さ」が無ければ、人に真実の愛など持てるはずはなく、
人の「弱さ」は "情" を愛と履き違え、お互いの傷口を舐め合い、仮面を被り合って慰め合う事に終始する。
人間が "前へ進む" 為には、自分の事を「キレイ事だけ」にしない、人としての「強さ」を持つという基本が不可欠でありましょう。
( ・・)☆彡
それは自分の為にも、又強いては人様の為にもなる、一番大事な事ではないかと私は思います。
☆_(_☆_)_☆
このコラムの執筆専門家

- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年