主従関係 - 犬のしつけ・訓練 - 専門家プロファイル

中西 典子
DoggyLabo 
しつけインストラクター

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閲覧数順 2024年04月19日更新

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主従関係

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8月末に、JAPDT(日本ペットドッグトレーナーズ協会)の
カンファレンスがあり、「主従関係」ということについて、
とても考えさせられました。

最近の「しつけ」では、「主従」とか「ボス」「リーダー」
という言葉は敬遠されがちな雰囲気がありますが、私は、
「主従関係」は必要だし、ボスの貫禄、リーダーの率いる力は
必要だと思っています。

実際、我が家の4頭のシュナウザーの群とつきあうときには、
普段はラブラブ、ベタベタ、恥ずかしながら、時には赤ちゃん言葉
(トレーナーにあるまじきでしょうか)も使ってしまったりします。

でも、心のどこかには、しっかりと「主従」を意識していますので、
私と愛犬たちの関係は良好だと思います。
逆ギレは絶対にありえませんし要求吠えもまったくありません。
彼らのお行儀には、ほぼ問題ありません。

なぜ「主従」という言葉が嫌われるのか、考えてみたのですが、
もしかして、嫌悪刺激や強制訓練という方法を使う訓練所の
イメージや、人間でいうと「軍隊」っぽいイメージを抱いてしまう
のかもしれませんね。

でも、私が思う、犬たちとの「主従」とは、
そんなイメージではありません。どうやったら上手く説明できるのか、
今までずっと考えてきましたが、先日、こんな例えを思いつきました。

ご夫婦がリビングルームでくつろいでいるところを想像してください。
ご主人はコーヒーを飲んでいます。
奥さんは、本を読んでいます。
ご主人が、

「おい、今日の新聞はどこだい?」

と言います。
奥さんはソファから立ち上がり、
ダイニングテーブルの上にある新聞をつかみ

「はい、どうぞ」

とにこやかにご主人に手渡します。

「ありがとう」

と感謝の気持ちを述べるご主人。

ここには主従が存在すると思うのです。ご主人が「主」で、
奥さんが「従」です。でもこれは、この夫婦の関係すべてが
この場面の「主従」があてはまるということではありません。

犬との関係も、場面場面でしかるべき「主従」が存在すれば
良いと思うのです。

上記の場面で、もし奥さんが、

「テーブルの上にあるわよ」

と言ってご主人が自ら取りにいった場合には、「主従」は
存在しません。

「テーブルの上よ」

「持ってきてくれよ」

「自分で取りにいきなさいよ」

なんて言い返したら、「主従」は逆かもしれません。

最近のしつけの本で、
「主従はいらない」「リーダーになんかならなくたっていい」
という考え方をベースに書かれているものを良く見かけるように
なりましたが、その著者の方の文章や表現の仕方、生活の仕方を
観察してみると、

「ボス」とか、「リーダー」ということを意識しなくても、
すでに「ボス」「リーダー」の風格をそなえていらっしゃる方が
多いことに気づきました。

彼らは、決してマスオさんじゃないのです。
北野たけしさんや、島田伸介さん?とでもいいましょうか。

どこか、威厳ある、リーダー性のある、
思わずついていきたくなる魅力のある人たちなのです。

なので、そういった方々が書いていることを、
マスオさん系飼い主さんがマネをして、しつけに失敗することが
ないといいな、と少々心配です。

犬たちのいいなりになってしまっていて、問題行動を出してしまい、
悩んでいる、とてもやさしい、犬思いの飼い主さんたちとたくさん
出会ってきたからです。

このテーマに関しては、これからも、どうしたら上手く
今自分が考えている、感じている犬たちとの「主従関係」を
説明できるか、悩み、研究し続けていくと思います。

「Doggy LABO」として!

上手い説明が見つかったら、またコラムを書こうと思いますので、
そのときはまた、おつき合い下さいね。