広いリビングは本当に必要なのか - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

横山 彰人
株式会社横山彰人建築設計事務所 
建築家

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対象:住宅設計・構造

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広いリビングは本当に必要なのか

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『建築家となら望みどおりの家が建つ』 建築家が明かす家づくりの極意 9-1

大切なのは「どう暮らしていくのか」




 ハウスメーカーでは、よく「パーティーのできるリビング」というコンセプトで、広いリビングを売りにした家を宣伝していることがあります。

 しかし、家を建てて一年後にアンケートを行うと、「パーティーを開きましたか」という質問に対して「はい」という回答は、一割にも満たないことがわかりました。日本人は、人を招いてパーティーをするということが苦手なようで、したいと思っていてもなかなか実現できないようです。

 そもそも日本では、パーティーを開くどころか、リビングが有効に使われていない場合のほうが多いのです。

 たとえば、リビングが一つの部屋として独立している間取りなら、ピアノが置かれ、立派な応接セットが中心に置かれながらも、その部屋に入ることはめったにないというのが実状でしょう。めったに使われない部屋というのは、ともすると不要なものを置くスペースとなってしまう恐れもあります。

 また、リビングを独立させず、キッチンやダイニングとつなげた間取りの場合でも、子供部屋が独立して二階にあるというのなら、家族が集まるのはダイニングで食事をする時間だけということになりかねません。


 子供部屋にテレビがあれば、子供たちは食べ終わってすぐ自分の部屋にこもってしまうでしょう。

母親はキッチンで後片付けをし、父親だけがリビングのソファに寝転がってテレビを見ているという家族ばらばらの状態ですから、ここでもリビングは活用されていないことになります。

 ではなぜ、このように上手に使われないリビングが存在し、人はこの部屋をもっと広くしようと考えるのでしょうか。次回のコラムで詳しく解説したいと思います。


つづく・・・






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