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ハウスメーカーとの注文住宅の解約はしやすくなる???

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■ハウスメーカーの契約約款は不当約款?

先日の11月27日、適格消費者団体の消費者機構日本から大手HMの旭化成ホームズの契約約款が不当約款として差し止め請求を行ったと公表があった。




大手HMが適格消費者団体から差し止め請求を受けたのはこれが初めて。

契約の約款に不当な内容があり、契約手付金の返還をめぐる複数のトラブルあったとしている。


指摘を受けた約款は以下の通りだ。


第21条(契約手付金等の扱い)

1、甲(注文者)の申し出によりこの契約が解除された場合、乙(旭化成)は、請負代金のうち契約手付金の全額と、諸費用のうち乙が既に支出または実施した金額の合計額を、違約金として収受し、残金は無利息で甲に返還します。

2、前項の場合において、この契約の解除による乙の損害額が、前項に定める合計額を超えるときは、乙は当該超過額を甲に請求できるものとします。


当方でも、この条項は以前からおかしいと思っていた。




一般論として、

請負の契約は民法の範囲で、その民法上に請負契約には手付自体が存在しないと言われている。

そうなると、この約款は契約手付金と解約までに要した費用(民法上、注文者が解約時に請負者に払う損害賠償金にあたると見なされる)を請求するという内容は二重請求に該当するとみれる。




また、違約金の記載は消費者契約法9条に違反していると…


■解約ができにくい実態

実は、当方も以前からこうした指摘は旭化成ホームズには何度もしていた。

今まで、HM名は言っていなかったが、このHMとの契約で多いときで月に2,3件の解約相談があるのが実態だ。




当方にHMの解約相談を頂いたケースでは、ほとんど注文者自身からでは法的な解釈ができにくい。

この約款を読むと、解約申し出時には「約款通り」請求しますと、必ずHMから回答が来る。


特に、このHMの場合、契約までのスピードは早く、即調印というケースが大半である。

そのため、契約後の設計変更や多額の追加工事、お決まりの言った言わないなど、トラブルが散見し、結局は注文者からの「解約したい」という申し出の流れだ。


で、いざ解約を申し出ると、有無を言わせずこの約款通りの請求をしてくる。


例えば、当方で相談を受けた事案では、契約手付金200万円、諸費用約150万円の合計350万円を契約時に払った。

その後、いろいろと追加で500万の見積もりを出され、契約の時に聞いた追加金額の3倍近くになった。


不信感が増すので解約を申し出たら、支払い済みのほぼ全額を違約金として請求してきた。


しかし、とてもその費用に値する仕事の内容、成果物ではなく、最終的には10万円程度の請求で解約した。

解約を申し出して、金銭の返還までに要した時間は約4か月。

その期間のうち、当方のサポート後は2週間程度で解決したが、時間と労力のムダであり注文者の精神的苦痛は計り知れないものがある。

この点はHMに理解して欲しいものだ。


こうした事例のように、このHMはそう簡単には解約を受け入れない体制になっているようだ。


一方、注文者側も大手のHMだから、まさか変なことはないだろうという期待感があるので、契約のトラブルなどは考えにくいのだろう。


■不動産の売買契約とは異なる性格の請負契約

ユーザーにとって売買も請負も家を買うという概念には変わりはない。

しかしながら、請負契約の場合には民法の規定に当てはまるもので、いわゆる宅建業法のような細かい規定はない。

契約場所の規定や契約時のもらえる金銭の上限、解約に関する規定など、請負契約には細かい規定はなくグレーな部分が多い。


そのため、指摘を受けた約款もグレーな点が問題であろう。


民法では請負は注文者は完成まではいつでも契約は解除でき、その際には請負者に対して損害を賠償して解除するとある。


こんな内容であるから、注文者から契約解除権を行使された場合の違約金の考え方は不明瞭な場合が多い。


いずれにしても消費者機構日本からは是正の申し入れをしており、今後、協議して適正な約款とすることのようだ。


マイホームはどんな人でも夢である。

その夢を預かる側は他人事ではなく、己のこととしてとらまえ、信義誠実にその義務を果たすべきだ。





参考までに、旭化成ホームズの行動指針。

 

それはこんな内容だ。


『今日一日、怒らず怖れず悲しまず

正直親切愉快に、力と勇気と信念とをもって

自己の人生に対する責務を果たし

常に約束を守り、正義を実行し

日本の住宅を

我等の力で向上させます』


この指針を読んで、今回のような事案を見るとその感じ方は皆それぞれだろう。

 

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