今回ご紹介させて頂く、この「ワルプルギスの夜」は、オペラ「ファウスト」第5幕第1場で、バレエシーンとして踊られるバレエでもあり、
又、良くバレエ公演のコンサートなどでも、単独で上演される事も多い作品です。☆彡
長い幕物のオペラ作品の中には、観客を飽きさせない様に気分転換にバレエシーンが挿入されるというのは良くあり、これもオペラやバレエ通の方達には有名なバレエですが、
バレエをあまりご存知ない方には、ちょっと珍しい作品とお感じになるかもしれませんね?(^^♪
このバレエシーンは、あまりオペラの物語的には深い意味は無く、オペラの主人公であるファウストが、恋人のマルガリーテの事を思い意気消沈しているので、悪魔メフィストフェレスが、ブロッケンのワルプルギスの夜の饗宴に彼を案内するというシーンで踊られます。
その霧に包まれた荒涼たる山頂では、妖精や悪魔がどんちゃん騒ぎをしているという場面です。
このバレエは、ロシアンバレエの一つの魅力でもある、ダイナミックでアクロバティックな技が振り付けにふんだんに取り入れられた作品として有名です。
巫女・・・・・・・・・大園エリカ
祭司・・・・・・・・・ILIR KERNI(元クロアチア ザグレブ国立バレエ劇場プリンシパル)
サチロス・・・・・VALENTIN BARTES(ルーマニア出身のソリストダンサー)
巫女が祭司にしなだれかかる所に、サチロスが巫女を誘ったり・・・
巫女はサチロスをからかい、ちょっと遊んであげたりします♫
こうして終始、巫女は奔放に祭司とサチロスと戯れるという、踊る方も観る方も、ちょっとストレスを発散できる(!?)、な~んにも考えなくて良い、とても開放的なバレエです♫(笑)
人間、たまにはそういう時も無いとね~!? (笑)(-^〇^-)
これは、バレエで有名なアラベスク (後ろに足を上げる) というポーズですが、同じ形のポーズでも役柄によって、ガラリと雰囲気が変わります。
「ワルプルギスの夜」のイメージに相応しい、奔放な雰囲気を出すのは、それぞれのダンサーの演技の力です♫
あと、残念ながらその場面の写真が無いのですが、この作品の最後の方にダイナミックな見せ場として、女性が離れたパートナーめがけて、背中から彼の腕に飛び込む「フィッシュ・ダイブ」という技を見せる場面もあります。(生の本番を観ると、そこはドキドキワクワクしてしまうシーンです♫)
アクロバティック・バレエ、いかがでしょうか? (^^♫
ちなみに、男性が女性を頭上高く掲げる様なリフトを、いくつもしなければならないこのバレエは、男性に取って大変体力を使うので、パートナーの女性は体重の軽い人でないと、踊る事を拒否される事もある作品の一つでもあります。(^^;
(バレリーナが、ガリ細でなければならない理由を、深くご理解頂けましたでしょ~か?(笑) )
_(_^_)_
このコラムの執筆専門家
- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年