調べて初めて知った、「北風と太陽」の本当の話
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ある会社でのお話ですが、そちらの会社の組織運営の中では、何かと基準、ノルマ、罰則が多いのだそうです。中には子供のしつけのような内容のものまであるようです。
社長の厳格な考え方に由来するようですが、社員の立場としては、わりと細かいことまで決め事や報告義務があったりするので、相応の締め付け感もあり、上司が部下を褒めづらかったりするなど、何かと弊害があるのだそうです。
この話を聞いていて、私はイソップ童話の「北風と太陽」の話を思い出しました。
ご存知の方は多いでしょうが、北風と太陽が力比べで、旅人の上着を脱がせることができるかという勝負をすることになり、北風は力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとするが、旅人は寒さのために上着を押さえてしまって北風は脱がせることができず、太陽がさんさんと照りつけると、旅人は暖かさのために、自分から上着を脱いで勝負は太陽の勝ちになったという話です。
この会社の施策は、まさに北風的なものが多いと感じ、もう少し太陽的な寛容さを持ったところがあっても良いと感じました。
私が当初思ったのはここまでだったのですが、その後少し調べてみたところ、この童話には私が知らなかった、また別の話があるのだそうです。
北風と太陽の最初の勝負は旅人の帽子をとることで、太陽がさんさんと照り付けると、旅人はあまりの日差しで帽子をしっかりかぶって決して脱がず、北風が力いっぱい吹くと帽子は簡単に吹き飛んでしまい、勝負は北風の勝ちだったそうです。旅人の上着を脱がす勝負は、実はその次に行った勝負だったのだそうです。
この話の本当の教訓は、「一度うまくいったからといって他でも同じようにうまくいくとは限らないから、しっかり状況を見据えて適切な手段を選ぶ必要である」ということなのだそうです。
このことを知った上で、あらためて前述の会社のことを考えてみると、確かに締め付けが良くないといっても、それをただ緩めるだけでは、また違う面で新たな問題が出てしまうということもあり得ます。いま行われている施策にも、何かそれなりの理由があるのだと思います。
「何事も一面的に見て判断してはいけない!」
小さなきっかけから、良い勉強をさせて頂くことができました。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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