- 釜口 博
- BYSプランニング ファイナンシャルプランナー
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対象:生命保険・医療保険
ファイナンシャルプランナーが天職!
BYSプランニングの釜口です。
今回は、保険会社により、同じ保障で保険料が最大2倍超も違うという内容について、お伝えいたします。
外資系保険会社が参入するまでの生保の保険料は、護送船団方式で、保険料は横並び。
募集人で勝る大手生保が市場を牛耳っていました。
ところが、外資系参入、生損保の相互乗り入れが可能になったあたりから、保険会社により保険料の差が出始め、ネット生保参入後は、保険会社によって保険料の差が生じてきました。
現状では同じ保障内容で、国内大手生保とネット生保では、最大2倍超の保険料の開きがあります。
ではなぜ、そんなに保険料が違うのか?
その答えは、付加保険料の差です。
契約者が払う保険料の内訳は、純保険料と付加保険料に分かれます。
純保険料は簡単に言うと、保険金や給付金の支払いにあてるお金のこと。
これは死亡率などを割り出すための生保標準生命表をベースに生保各社が独自の生命表を使って確率を計算して保険料を算出しています。
つまり純保険料は、ベースとなるデータがいっしょですので、基本的にどの保険会社も大差がありません。
一方、付加保険料は、会社運営にかかる経費、人件費や事務所経費などのお金のこと。
この付加保険料があらかじめ保険料の中に組み込まれるため、保険会社によって、大きな差が生じています。
例えば、保険金3000万円 保険期間10年の掛捨て定期保険の月額保険料
●20歳男性の場合 某ネット生保:約2,500円 某大手生保:約6,000円(有配当)
●30歳男性の場合 某ネット生保:約3,000円 某大手生保:約7,000円(有配当)
●40歳男性の場合 某ネット生保:約6,500円 某大手生保:約11,000円(有配当)
では、保険会社の経費率である付加保険料率は何%なのか?
実は、ある保険会社がこの付加保険料率を公表するまで、各保険会社はひた隠しにしてきました。
ある保険会社とはネット生保の先駆者であるライフネット生命。
上記例のライフネット生命の付加保険料率は、
●20歳男性の場合:25%
●30歳男性の場合:23%
●40歳男性の場合:20%
国内大手生保は付加保険料率を公に公表していませんが、純保険料は保険会社により大差がありませんので、付加保険料率も概算で計算ができます。
保険商品や年齢・性別により違いますが、国内大手生保の付加保険料率は、なんと、50%~70%にもなります。
大手生保に加入している方は、保険料のうち半分以上が、生保募集人が受取る報酬やその会社の運営経費に使われているという事実を分かった上で、保険と向き合う必要があるのではないでしょうか。
ただし、ご注意いただきたいのは、すべての保険商品について、ネット生保が最安値とはならないことです。
例えば、掛捨ての保険でも医療保険や収入保障保険などでは、代理店販売をメインにしている保険会社の方がコストパフォーマンスが高いこともありますので、検討される際は充分に比較されることをおすすめします。
ご質問やご不明な点がありましたら、
お気軽にご連絡下さい。
メール:waku@bys-planning.com
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