- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
住宅におけるエネルギー消費量については
・照明38%
・給湯29%
・暖房23%
・冷房4%
ということがいわれている。そのなかで夏の暑さ、冬の寒さをどのようにしのぐかについて工夫を施すことは非常に大切だ。
夏の暑さに対してはまず一番大切にしていることは、風の流れである。外部の気温が36度なんていう日はもうどうしようもないにしても、通常のちょっと暑い日であれば風の流れが体感温度をだいぶ下げてくれるようだ。風の抜ける道というと大げさではあるが、家の中に熱気のたまる場所を作らないことは非常に大切なことだと思う。
次に考えることは開口部の断熱性能である。夏の暑さを和らげる手段としてはレースのカーテンの設置や熱腺反射ガラスの採用、そしてルーバーなどの設置があげられるだろう。ひさしも夏の高い位置からの日差しを和らげることには効果的だ。土地の形状や全体的なデザインとの調和を考えながらの話にはなるが、カーテンくらいはどこでもつけることができるので対策をとることを薦めている。
そして、最後に気を使うのがこの屋根である。屋根は太陽光を直接受けるのでどうしても高温になりやすい。その熱をいかに外部に放出するかについては通気層を設けるなどの手段で対応するほうが好ましいだろう。写真に出ている断熱材は今後の年々にもわたって家の中に伝わる熱気を防いでくれることだろう。居心地の良さとは、空間のデザインによるものであると同時にこのような性能にも支えられるものでもあるのだ。