第4章:プロダクトの健康状態を調べよう
④取扱商品についてお客様の立場に立った情報を提供しよう
「お客様のご要望の仕様ですと、こちらのS社のビデオカメラが一番適していますよ。お薦めです。」
と、私に答えてくれたのは、家電量販店にメーカーから販売応援に来ていたP社の方でした。
先日、私は自分の講演やセミナーを記録するために「自分の要望に添ったビデオカメラ」を探しに、都心にある家電量販店をのぞいたのでした。
私の要望は「価格」「基本性能」に加えて「外付けマイク」が使えると言うことでした。それを何とか5万円くらいで買えないものかなと思って探していたところに、声をかけてきたのが先ほどのP社のジャンパーを着た応援店員さんでした。まだ、その時は「コレにしよう」というビデオカメラを決めていなかった私は、その応援店員に自分の要望を伝えたのでした。
その時の彼の返答が冒頭の言葉だったのです。そして、
「いや~私どもP社のビデオも自信はあるのですが、お客様のご要望の仕様ですと、残念ながら作っていないのです。その点S社さんの製品ですと、ご要望は全て備えています。お薦めです。」と言って下さったのです。
そして、さらに、S社製の外付けマイクについても説明してくれたのです。
他メーカーの製品をまるでその量販店の店員のようにお薦めする彼に、私は思わず質問しました。
「自社の製品ではなく他メーカーの製品を薦めるなんて悔しくないですか?」
その時の彼の言葉が、私には衝撃的でした。
「はい、確かに悔しいのですが、販売応援に来させていただいている以上、まずはお客様に喜んでいただくことが一番です。その上で、お客様のご要望を直接お伺い出来ることが、私どもの次の製品開発に役に立つので、とてもありがたいのです。ただ、本日のお客様のご希望の仕様について、私どもP社ではピッタリの製品をご用意出来ていないのが、一番残念なところです。何年か後にまたビデオカメラをお買い上げの機会があったときに、今度はP社を選んで頂けるように頑張ります。」
凄いですよね。私はP社の販売応援社員の「相手軸」な接客態度に深く感動しました。
この方の所属する会社の立場からすると、自社製品が売れた方が嬉しいわけですから、この方も自社製品についてはかなり詳しく把握しているのです。その証拠に、私は、P社の製品について根掘り葉掘り質問したのです。もちろん、S社よりも優れているところはたくさんあったのですが、それでも「お客様に希望に添う」「お客様の目的を達成する」には、自社製品よりもS社の方が良いと判断をするのですから素晴らしいのです。
彼は、展示していた4社の製品からS社を薦めてくれたのですが、他のV社やC社の仕様についても、かなり細かく理解し把握していました。自社製品を把握するのはあたりまえ、他社製品をも完全に把握しておくことで、お客様の要望に適確に応えるのが、「出来る販売員」というわけですね。
まあ、私としては、最近株価下落が止まらないS社の株主(ほんの少額ですが・・・)なので、少しでも貢献したかったこともあり、今回の買い物がS社製品に決定出来たのは嬉しいのですが、「なんだかP社の製品も買いたくなって来たぞ」、と言う想いが湧いて来ました。きっと、口コミによる拡散ってこういうところからも始まるきっかけがあるんでしょうね。とても良い体験をさせて頂きました。P社の販売応援の社員の方に感謝です。
さて、「お店の健康診断」の視点で言うと、この「製品知識」「商品知識」について、店長やスタッフがどこまで深く細かく把握しているのかは、とても重要な評価ポイントとなります。
「製品」「商品」を正しく、作り上げるだけではなく、それを「深く」「細かく」把握することも「プロダクトのチカラ」を更に高めて行くのに大事なんだ、と言うことをぜひとも知って置いて下さいね。
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