合唱と語学 - 英語全般 - 専門家プロファイル

伊東 なおみ
ILSランゲージスクール 英語講師および日本語教師
東京都
英語講師および日本語教師

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対象:英語

山中 昇
山中 昇
(英語講師)
白尾 由喜子
(英語発音スペシャリスト/英語プレゼン講師)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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合唱と語学

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Hello everyone!

先日、友人の所属する合唱団が毎年秋に開催している演奏会へ行ってきました。



20代から70代までの社会人の方々が、仕事や家事の合間を縫って週一回の練習に励み、年に数回演奏会を行っていますが、毎秋の定期演奏会はとりわけ魅力的です。

団員の方々とも仲良くさせていただいているのですが、活動的な方が多く、みなさんとっても明るくお元気で、とにかくよく食べる、よく飲む、よく笑う!!(笑)

そして、声が素敵な方が多いのです

毎年の定期演奏会は、たいてい三部構成になっていて、演奏会の一番最後にかなり練習もハードと思われる外国語の歌を歌っているのですが、今年はラテン語の曲、カルミナ・ブラーナでした。
(確か去年はフランス語で、一昨年はロシア語、その前は英語だったと思います)

外国語の歌のときは譜面を見ても良いそうですが、長~い譜面をよくこれだけ覚えて歌えるな~、と毎年感心しきりです。しかも、覚えるのは歌詞だけでなく、それぞれのパートの複雑な旋律も覚えなければならないのですからなおさら大変です!

そして、実はこの私も、9月から期間限定で12月までの約3ヶ月間、丸の内合唱団ではありませんが、学生時代以来の合唱にチャレンジしています!

初めてのドイツ語に、初めてのアルト(昔は主旋律のソプラノでしたが、声変わりしたためアルトにシフト)、そして初めての曲目です。本番は楽譜を見てはいけません。

ゼロからのスタートでしたが、友人からCDを借りたりしながら、なんとか練習にもついていっています。

そんなことで、久しぶりに新しい外国語と真剣に向き合う流れとなってしまいましたが、学んでみてあらためてわかったこと。それは、、、

「聞いているだけでは語学は覚えられない」

ということです。

意味のわからない言語を聞き流して聞いていても、やっぱり意味がわからないので全く頭に入ってきません。特に歌は詩のようなものが多く、意味的にも脈絡がない場合が多いのでなおさらです。

ですが、いくつか良かったと思えることは、繰り返しCDを聞くことで、ドイツ語の発音が良くなったと言うことです。

始めた頃は、CDの発音する音と自分の発音する音がなかなか一致せず、どうしても英語や日本語の発音のクセがドイツ語に反映されてしまいました。

ですが、練習を重ねるうちに、だんだんとCDのお手本の音と似てくるのです。

それから、ドイツ語の母音、子音の特徴にも気がつくことができました

たいていの言語の母音は、"a, e, i, o, u"の五つが基本となっていますが、日本語の"a"は一緒くたに「あ」と発音してしまいます。

たとえば、英語を聞いた場合、日本人が「あ」と認識してしまいそうな発音は思いつくだけでも、"ɑ"(hot/box), "æ"(cat/bag), "ʌ"(cup/up), "ə"(about/success)、、、こんなにあります。

子音についても、日本語は"n(g)"(例:「本/hon[hong]」)以外はすべて母音の音で終わっているので、特に最後が子音で終わる英単語というのは、聞き分けが非常に難しいのです。

例えば、beltを英語で発音すると、「ベル(ト)/発音記号はbelt」と最後の(ト)の音はほとんど聞こえませんが、日本語で発音すると、「ベルト/発音はberuto」と最後の"to"の"o"の音まではっきり聞こえます。

ですので、多くの日本語話者には、beltとbellの聞き分けが難しいのです。両方とも、「ベル」と聞こえてしまうのです。

ドイツ語は詳しく知らないのでうまく説明ができませんが、母音は日本語よりも身体の深いところから出てくる、つまり深みのある音です。子音で終わる言葉も、日本語話者には聞き取りにくいですが、英語と同じく最後の"t"などはかすかに発音されています。

私を含め、たいていの方は自分の発音とネティブの発音との違いには気がついていても、それを完璧に矯正はできない、でも、許容範囲内で、聞き手に理解してもらえるレベルの発音ができれば良いのではないでしょうか?

どうしても母語に近い音で発音するほうが楽ですので、私の英語も20年前の綺麗な発音と比べたら、かなり日本語のアクセントが英語に混ざって来たなあ、、、と思う今日この頃です。

そして、CDを聞いても自分の発音とネイティブの発音の違いすらわからない方は、どうかもっと発音のルールを勉強して音を聞き込んでください。外国語の発音の特徴は、言語学などを勉強するとルールがわかってくるので理解も早まるかと思います。プロの先生と一緒に勉強するのが手っ取り早いですが、助けが必要な方は、是非ILSランゲージスクールまでお越し下さい。

最後になりましたが、英語の発音を鍛えたい方、リスニングを鍛えたい方、滑舌を良くしたい方、合唱はおススメですよ!歌をやっている人は、口先だけではなく、身体の奥のほうから声を出していますので、英語の発音とも似ているところが多々あります。実際、音楽をやっている方は、複雑な旋律を覚える時にも耳が鍛えられますので、発音の綺麗な方が多いですね^^

丸の内合唱団のみなさま、今年も素敵な歌声をありがとうございました