- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
「家が古くなったから」
「家が手狭になったから」
「二世帯住宅にしたいから」
「バリアフリー対応の家にしたいから」
「家が古く、あちこち傷んできて使いにくい」
「とにかく狭い」
「陽当たり、風通しが悪い」
「子どもが大きくなって部屋が足りない」
「間取りが使いづらい」
「使い勝手が悪い」
「地震が来たら不安」
「収納が少なくて、片づかない」
「二世帯住宅」、「バリアフリー対応」、「陽当たり、風通し」、「部屋数が足りない」、「間取りが使いづらい」、「地震が不安」、「収納少ない」等、ほとんどが、機能的耐用年数で、老朽化がひどく修理も難しいので取り壊すという、物理的耐用年数ではありません。
「古くてあちこち傷んで」というのは、物理的耐用年数と見えなくもないですが、傷んだ部分を修繕すれば、まだまだ住めるというのが多いものです。
「古いから建て替える」も、物理的耐用年数ではなく、むしろ流行遅れだから、陳腐化したから(経済的耐用年数という)、と考えられます。
日本の平均寿命が25〜30年というのは、老朽化してこれ以上住めなくなる、物理的耐用年数より、はるかに短い年数であり、ほとんどが機能的耐用年数と考えられます。
機能的耐用年数とは、住み手の生活の変化に、家が対応できなくなることです。
欧米の人々も、日本人と同じように、生活は変化しているはずです。
それなのに、なぜ日本と欧米では、住宅の寿命がこれほど違うのでしょうか。
次回から、考えてみましょう。