- 清水 康弘
- 株式会社参創ハウテック 代表取締役社長
- 工務店
対象:新築工事・施工
9月初めに息子の結婚式のためハワイに行ったついでにBVLGARIの最も安い腕時計を購入しました。
自分には革製ベルトのサイズが少し短かく、購入したお店で長めのベルトに換えてもらうよう頼んだところ、在庫がないので帰国してから銀座のお店へ行けば無償で交換してくれると親切に応対してくれ、レターを託されてきました。
後日、初めてブルガリ銀座タワーを訪れたところ、さすがに高級ブランド店、ただでさえ入りにくそうなタワーのファサード、エントランスには二人男性スタッフが立っていて、さらに小市民の敷居を高くしています。
「いやいや大したことをやりに来たわけではありません。時計のベルト交換に来ただけです。」
「では4階へ!」と男性スタッフに促され、自分には決して手が出ない高級時計や宝石のショーケースを横目に見ながらエレベーターへ。
すぐに4階へたどりつき、エレベーターの両開きドアが開くなり、さらに緊張感が高まってしまう。
4階は正面に大きめのカウンターがあり、窓口に女性がお二方着座しています。
「本日はどのような・・・」と一人の女性。
「海外で購入した時計のベルトの交換で・・・」(ハワイと言うには少し悔しい気がして、あえて海外でと見栄をはる小心者の自分)
恐る恐る買ってきたままの大きなケースごと手渡ししたところ、
「時計の方は工房でお預かりしますが、ケースはお預かり出来かねます!」
と、バッサリ言われてしまう。(それにしても語調が結構厳しい。少しだけ田舎者扱いされたような気分を味わう)
僕にしてみれば、ベルトの交換程度でわざわざ工房かよ!と内心思いつつも、2週間程度で修理が完了したら電話しますという応対に従いました。
2週間後ベルト交換が済んだという通知を受けて、一昨日の夕方ブルガリ銀座タワーへ。
2度目ともなれば、多少緊張感もほぐれすぐに4階へフロアへ向かう。
手空きだった受付の女性に引換証を見せて、待つこと5分。
バックヤードから持ってきたのが、預かってもらった時計と写真の時計ケース(それもロゴ入り)でした。
すっげぇ!ベルトを無料で交換してもらい、さらにこんなケースももらえるのだと、内心ほくそ笑む僕。
応対してくれている女性があまり手際が良いとは言えない手つきで、時計をケースにいれようとするのですが、なかなかケースに上手く納まらずいると、次の瞬間、
「ベルトを長めのものに交換したので、このケースには入りませんね。ではこのケースは止めてビニール袋に入れましょう」
「えっ????」と、うろたえる僕。(でもこのケースは絶対欲しい!と心の中で既に葛藤が始まっている。)
「あのう、折角ですからこのケース、欲しいのですが・・・!」(そんな恥ずかしいことを言わせるんじゃねぇ!と思いつつも)と勇気を振り絞って言ってみたところ、
「入りませんよね!」とおまえさんなぁ、今、目の前で見ていただろうといわんばかりにピシャリ。
ここまでくると絶対後には引けない状況。
「金具をたためば、入るのではないですか!」
多分、その女性にしても腹の底ではこの貧乏人がと思いつつも、あっけなくケースに納まり、事なきを得ました。
こんな出来事があった数10分後に、以前から会食の約束をしていた建築家の長谷川順持さんにお会いして話したところ、
「清水さん、その気持ちわかるよ!僕だって欲しいよ!」
でもよくよく考えてみると、この細くてなが~い腕時計ケース、一体何に使えるのか素朴な疑問が湧いてきました。(恥!)
長谷川さん曰く、「お札を縦折りにして、財布かわりに使えばいいんじゃない!」
一小市民の戯言でした・・・。