- 中舎 重之
- 建築家
対象:住宅設計・構造
最初に、屋根の通気層を30mm以上確保します。
屋根面に発生する熱を軒裏の通気孔を通し棟の部分で換気します。
屋根の仕様を記します。
天井側から見ます。タルキの下端で断熱材受けのボードを貼り、防湿シートを敷き込み、
タルキの背の分だけ断熱材を隙間無く充填します。
タルキの上端で構造用合板を貼り、通気層の為の下地受30mm以上を設けます。
その上に野地板、防水層、仕上げ材の構成になります。
勾配面の剛性を得る為には構造用合板の12mmをチドリに貼ります。
貼り始めは軒先からとし棟の部分で寸法調整します。
軒先には上向きの風圧力が掛かる事を忘れないで下さい。
2:外壁
外壁と云えば、昔はモルタル仕上げが相場でした。
最近はサイディングが主流のようです。
木造住宅のモルタル仕上げは内部の木軸の呼吸を妨げ、かつモルタル仕上げの亀裂から雨が染み込み、
木軸の腐食につながります。
阪神淡路大震災で、木造住宅のモルタル仕上げの外壁が崩れ落ちた状況を見ますと、
内部の木部が腐食しているケースの多いのには驚きました。
モルタル仕上げの安かろう、悪かろうの見本の例です。
外壁を金属系サイディングにて仕上げる話です。
金属系は外気温度をそのまま伝える材料ですから、断熱対策を最初に考えます。
まず通気層を設けて、土台位置から空気を取り込み屋根の通気層を利用して棟の部分で排気するのが効果的です。
通気層の構成には、タテ胴縁を採用します。胴縁は21x45mmとし、間隔は455mmとします。
それにより仕上げ材の強度の問題もクリアします。 仕上げ材の方向はヨコ張りになります。
タテ胴縁は、外装材の下地では有りますが、室内からの水蒸気を放出する役目もあり、
万が一外装からの雨水の浸入にも直線的に排出します。
壁体の構成を室内側から記します。
石膏ボード12.5mm、防湿シート、断熱材の充填(柱が120mmなら同厚とする)、構造用合板9mm、
透湿防水シート、通気用タテ胴縁21x45mmピッチ455mm、金属系外装材になります。
外壁と軒天の取り合いでは、隙間を造らずに仕上げるのが良い様です。
隙間を設けると暴風時に雨と雪が此処から侵入する恐れがありますので、注意が必要です。
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