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フランス・ブリュッヘン

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 8月13日の夜、ブリュッヘン逝去の一報をツイッターで知りました。

79歳でした。

ブリュッヘンはオランダ・アムステルダム出身で、10代後半からリコーダー奏者として目覚しい活躍をしていました。

リコーダー音楽が盛んであったルネサンス時代の作品から20世紀の現代音楽まで、あらゆる時代の作品をレパートリーにしており、自ら「リコーダーのライオン」と名乗るほどリコーダー演奏のスペシャリストでした。

 

 彼の名を世界にとどろかせたのは1981年に設立した「18世紀オーケストラ」の創設と指揮者としての活動でした。

このオーケストラの特徴はハイドンやモーツァルトの時代に使われていた当時の楽器で演奏する名手を集め、オリジナル楽器(またはレプリカ)によって演奏。

演奏法は現代の奏法とは違う「ピリオド奏法」で演奏するオーケストラです。

 現代で使われている楽器とオリジナル楽器との違いは、例えばティンパニは小振りな胴に本皮を張った手締めの楽器をウッドマレットで演奏します。

ホルンではロータリーやピストンがなく、音程はアンブシュア(唇)とベルに入れた右手でピッチを調節して変えるというもので、楽曲の調性によってはその調の専用の管に変えるというものでした。

木管楽器は現在のものよりもキーの数が少なく、音質も素朴な音がします。

 

 ブリュッヘンが初めて日本のオーケストラの指揮台に上がったのは2005年の新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会で。

新日本フィルとの3回目の共演である2009年のハイドン没後200年には、

 「ブリュッヘン+新日本フィル ハイドン・プロジェクト “ロンドン・セット”全曲演奏会」

をおこないました。

この中で私は交響曲第99番、第100番「軍隊」、第101番「時計」の公演を聴くことができました。

 この連続演奏会では現代で使われている楽器(モダン楽器)を使ったオーケストラをピリオド奏法で演奏するするというのが特徴の一つです。

ピリオド奏法は、例えば弦楽器の演奏ではヴィヴラートをかけないなどありますが、ブリュッヘンはそれだけではないと語っています。

  「18世紀の音楽語法を使って!」

  「今日ではすでに忘れ去られてしまったルールがあるのです。」

 リハーサルでは演奏会に向けての楽曲の仕上げよりも、ピリオド奏法やハイドンの交響曲を演奏する上での現代では忘れ去られてしまった「ハイドンの語法」についてのレクチャー的な内容が強かったことでしょう。

 その日の演奏会は大変素晴しいものでした。

ハイドンの語法やルールの細部は一度聴いただけではすべてを理解することはできませんが、ピュアで快闊な演奏は今でも強く印象に残っています。

特に第一楽章冒頭の Adagio では木管楽器の柔らかな響きを囲むようにしてノンヴィヴラートの弦楽器が遠くまで澄み渡る響き。

その音色はまるで透明度の高い湖の吸い込まれるほど青い水の色のよう。

これまでに聴いたことのないピュアで澄み渡る音色は今でも忘れることなく記憶に残っています。

 

 古楽演奏の世界的権威であるブリュッヘンがハイドンの交響曲に並々ならぬ情熱を傾けて新日本フィルとハイドン・プロジェクトをおこなおうとしたのか、や、ハイドンという作曲家って? などはまたの機会にお話ししたいと思います。 合掌。

 

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