- 有馬 典寿
- 有馬プランニング 代表
- 熊本県
- 販促・広告お助け人&1枚企画書ライター
対象:販促・プロモーション
- 山田 祐子
- (旅館・民宿プランナー)
- 山田 祐子
- (旅館・民宿プランナー)
「売場」に書かれた訴求フレーズが直接の購入に結びつく代表選手といえば、
やはり「食料品」です。
株式会社 協同宣伝 が実施した調査「普段よく見聞きする、食料品の訴求フレーズにおける効果」
によると、どうやら「売り手」と「買い手」では訴求フレーズについての思い違いがあるようです。
「買ってもらおう」と考えて用意したPOPなどの販促物のフレーズが、逆に消費者を遠ざけている
場合もあるとは・・何とも悲しい話ですね。
今回は、食料品の購買につながる訴求フレーズの調査を通じて、販売促進のために重要な
ポイントを考えてみます。
『普段よく見聞きする 食料品の訴求フレーズにおける効果』
に関する実態調査とは?
消費者の関心や購入意欲を高めるために使われる「訴求フレーズ」が消費者の購買行にどのくらい
影響しているのかを株式会社 協同宣伝 が、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に居住する20代~
60代男女1,000名について代表的な30のフレーズを抽出してWEB調査したものが『普段よく見聞
きする 食料品の訴求フレーズにおける効果』に関する実態調査です。
分析の仕方としては消費者の「購入」意思決定プロセスに沿って以下のように「購入以前」の
4フェイズ(段階)と「購入後」の1フェイズに分けて、それぞれのフェイズで「きっかけになる」
とした度合いで分析されていました。
<購入以前>
第1フェイズ:「気になって注意を向ける」
第2フェイズ:「買ってみようかと検討を始める」
第3フェイズ:買ってみようという思いが強くなる」
第4フェイズ:「最終的に買おうと決心する」
<「購入後」>
第5フェイズ:「買った後で、そのことを友人・知人達と話す」
各フェイズの中で今回注目したいのが、消費者が気になって注意を向けるきっかけになる
「第1フェイズ」、そして最終的に買おうと決心する「第4フェイズ」です。
それでは、それぞれのフェイズでの“ベスト5”と“ワースト5”のフレーズをご紹介しながら、
注目ポイントを探ってみましょう。
注目ポイント1:売場では「限定モノ」が効く
<第1フェイズ「気になって注意を向けるきっかけになる」場面で効くフレーズ>
☆【ベスト5】
第1位『本日限り』 第2位『お買い得品』 第3位『今なら増量』 第4位『期間限定』
第5位『季節限定』
「本日」「今」 「期間」「季節」と “今だけ”感を訴求する『限定フレーズ』が確実に「効果」
に結びつくようです。
また、第2位『お買い得品』については、以降の購入意思が固まってくるフェイズに進むほど
順位が下がっていくのですが、注意をひくための“つかみ”としては効果があるといえそうです。
★【ワースト5】
第1位『☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め』 第2位『●秒に1つ売れています』
第3位『CM放映中』 第4位『絶賛発売中』 第5位『★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)の
お薦め』
ヤバイですねこの結果は、高いギャラでタレントや有名人、料理人をブッキングしてCMを
つくっている代理店のに方は、実際にはタレントやシェフが「誰」なのかで変わってくる
ものと思われるものの・・ワーストですから。
これで見る限り、タレント広告を展開している場合には、店頭販促の訴求フレーズを使い分ける
必要がありそうですね。
<第4フェイズ「最終的に買おうと決心する」場面で効くフレーズ>
☆【ベスト5】
第1位『本日限り』 第2位『今なら増量』 第3位『期間限定』 第4位『季節限定』
第5位『広告の品』
やっぱり“今だ け”感を訴求する『限定フレーズ』が効いています。
加えて第5位『広告の品』がランクインしているところが、いかにも購入直前という
感じがします。
★【ワースト5】
第1位『☆☆☆(タレント・有名人)のお薦め』 第2位『CM放映中』 第3位『★★★(プロ/シェフ・料理研究家等)のお薦め』 第4位『●秒に1つ売れています』 第5位『絶賛発売中』
第2位以下の順位が多少は違っていても第1フェイズと同じフレーズがランクイン、
上記のフレーズでは効果が無いことが決定的ですね。
<まとめ>
CMなどでは商品のクオリティやブランドイメージをアップさせる手法が良くても、
店頭では“今だけ”感を訴求する『限定フレーズ』でなければ効果が期待できないようです。
注目ポイント2:クチコミには「新発売」も効果的
店頭の販売促進では完全に『限定フレーズ』がテッパンですが、購入後の第5フェイズでは、
少しだけ状況が違ってきます。
購入後のクチコミ効果も狙うには、この第5フェイズも見逃せませんね。
<第5フェイズ「買った後で、そのことを友人・知人達と話す」場面で効くフレーズ>
☆ベスト5
第1位『季節限定』 第2位『期間限定』 第3位『新発売』 第4位『本日限り』
第5位『数量限定』
購入前と同様に“限定モノ”がトップとなっていますが、第1位に『季節限定』が来ており、
コミュニケーションのネタとして「旬」が話題となっていることがわかります。
また、『新発売』についても購入前にはベスト 10 入りしていなかったものが急上昇している
ことから、親しい人との話題としては、新発売や新商品は響いているようです。
『新発売』は“買わせるフレーズ”というより、買った後に “広がらせるフレーズ”として活用
するのがいいようですね。
★ワースト5
第1位『●秒に1つ売れています』 第2位『絶賛発売中』
第3位『「~(内閣総理、農林水産等)大臣賞」受賞』 第4位『愛され続けて○○年』
第5位『販売数○個突破』
一般的に広告では信頼性やブランド価値を向上させるために、商品が多くの人に支持されて
いることを示す具体的な数値や権威(及びその拠り所)を掲載しますが、
どうやらクチコミでは逆効果のようです。
親しい人との話題では、自分の体験や感情を語ることが多いので、商品に付帯する数値や権
威などは話題になりにくい(つまらない)のでしょうね。
<まとめ>
購入後もやはり『限定フレーズ』は効果的ですが、SNSなどでのクチコミでの拡散も狙う
場合には「新発売」や「新商品」も効果的です。
効くフレーズで勝負しよう!
今回の調査を通じて食料品のような日用品の売場での販売促進には「限定モノ」の
フレーズを活用することが効果的で、購入後の口コミを狙うには「新発売」も効果的で
あることが分かりました。
今回のような効くフレーズで決定させる手法は、売場で消費者への販売促進を担当する
人はもちろん、日常的にクロージングが必要な多くのビジネスパーソンの仕事にも役立て
られるのではないでしょうか。
ぜひ、今後の参考にしてみてください。
◎「普段よく見聞きする、食料品の訴求フレーズにおける効果」の実態調査(協同宣伝)の
プレスリリースはこちら
http://www.kyosen.co.jp/newsrelease/wp-content/uploads/2014/04/be2f7c8374427d3bb23c8edeade5f945.pdf
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
販促・広告お助け人&1枚企画書ライター
(専門家プロファイル登録:販促・広告プランナー&ライター)
有馬プランニング 有馬典寿
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