芸術を理解する能力 ② - 心・メンタルとダイエット - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
クラシックバレエ教師・振付家

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対象:ダイエット

佐久間 健一
佐久間 健一
(ボディメイクトレーナー)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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芸術を理解する能力 ②

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 前回では、芸術を理解するには、ご自分に「主体性」を持ったものの見方が大事だという事をお伝え致しました。

そしてもう一つの重要ポイントがあるとお伝え致しました。

 

 

それでは、早速そのポイントについてお話しを進めて参りましょう。

  

 

そのポイントとは、実はそれは「 "私情" を抜いて、ものを客観的に観る」という事です。

つまり「感情でものを観ない」という能力です。

 

 

皆さんは感情というものをお持ちですよね?

「これが好き・嫌い」「これは良いもの・悪いもの」等々、ご自分の私情を入れてものを見る習慣を、私達は日常で普通に持っています。

そう、それも大概は誰もが無意識にしているものですね。《゚Д゚》!?

 

 

「私情を抜いてものを見る!?  どういう事なのか全然解らない!」という声が、只今あっちこっちから聞こえて参りますので(!? 笑)、分かり易い例えでのご説明を、これから私なりに試みて参りましょう。(^^ゞ

(本当は "感じるもの=感性" を言葉でお伝えするのはとても難しい事なのですが、頑張ってトライしてみます!?)  ☆彡

 

 

例えば・・・。

皆様はどんな花がお好きでいらっしゃいますか?

 

人により、お好きな花はそれぞれ違うと思いますが、例えば大輪の真紅のバラの花がお好きな方は、その華やかさな美しさとゴージャスさがお好きでいらっしゃるでしょう?

「白いユリの花が一番好き♡」と仰る方は、その清純なイメージの気品がお好きでいらっしゃるでしょうし、

又「私は、野に咲くヒナギクや忘れな草の様な素朴な花に惹かれる♡」という方もいらっしゃいますね?

 

 この様に、その方の「一番好き♡」な花はそれぞれありますが、それはその方の一番であって、他の方には他のお花が一番であったり致しますね?

 

 

 

では皆様、今度はそのご自分の「好き・嫌い」という私情をちょっと脇に置いて、それぞれの花が醸し出す、それぞれの雰囲気を "観察して" みて下さい。

 

 バラにはバラにしか出せない雰囲気、ユリにしか持てない味わい、野に咲く花から受ける素朴な可憐さというイメージを、それぞれご自分で "感じて" 見て下さい。

 

 

 

そのそれぞれの "個性を楽しんで味わえる" というのが、芸術を理解する感覚になります。

つまりご自分の私情からではなく、「美しいものは美しい」というものの観方ですね。

 

 

 

では又、別の例でご説明してみましょう。(^^♪

 

 

例えば絵。

大胆な色合いと荒々しいタッチで描かれた絵と、繊細な色合いとタッチで描かれた絵があるとします。

  

大胆で、少々荒削りで一見無骨な表現にも見える絵からは、私は "男性性" を感じる事ができますし、

繊細で優しい色合いの絵からは "女性性" を感じ取る事ができます。

  

男性性・女性性というのは、「どちらが優れている」というものでは無く "個性" ですね?

そして人間の内面にはどなたの中にも、男性性と女性性と両方を持ち合わせているものです。

 

 

この様に芸術の理解というのは、そのアーティストの表現する世界を味わう事・個性を楽しむ事なのです。

 

 

 

 

私は以前、絵を勉強していた元教え子からお招き頂き、彼女の画家仲間と5人で開いた個展を観に行かせて頂いた事がありました。

 

私は絵を観れば、描いた方の性格を絵から読み取る事ができます。

 

或る方の絵は、天才的な発想とシャープさがあり「お見事!」というイメージとインパクトはあるのですが、どこかにその方の自己主張の強い性格から来る "傲慢さ" や "歪み"、或いは "暗さ" や "冷たさ" の様なものも伝わって参りました。(※それが良いとか、悪いという事ではありません。そういうものは、全ての人間の中にあるものです)

 

その5人の中では、私は一番才能を感じた大変素晴らしい絵なのですが、

 

個人的にリラックスしたい空間であるプライベートルームに飾りたいというイメージの絵ではなく、あくまで「鑑賞用に良いなぁ!」と感じられた、彼女の個性的な視点から生まれたアイディアと、それを見事に表現できる彼女の技法・テクニックというものも含めて、その表現を楽しませて頂きました。(^^♪

 

又別の方の絵からは "計算の無い" と言いますか、大変率直で明るいイメージと共に、彼女の繊細さや温かさが伝わって来て、その絵の前に立つと秋晴れの様な清々しい透明感を感じる事ができました。

 

・・・え? 私の元教え子の絵ですか?

 

それはやはり彼女の性格のそのまんまでして(!?)、明るく素直で綺麗で "子供の絵本の挿絵" の様なイメージと言いますか、彼女の若さや素朴さが表現されておりましたが、まだ深みというものが感じられる域までは来てはいませんでしたね~。(笑)

 

でも人間というのは絶えず成長しておりますから、今の彼女がどういう絵を描ける様になっているかは分かりません。(^^✿

 

そういう人間の進化を、その人の作品から観て取る楽しみも、又芸術を楽しむ視点になります。(^^♪

 

 

 

 

(次回へ続きます)

 

 

 

 

  「牛乳を注ぐ女」(アムステルダム国立美術館)

 

   ヨハネス フェルメール  (1632ー1675)

 

 

 

 

 

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舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

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長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年