私は職業柄、若い頃から色々な国に行かせて頂いた経験があり、そこで常々感じて来た「日本と外国の子供達の違い」について、ここでお話しさせて頂こうと思います。 _(_^_)_
色々な国の子供達に触れて私が率直に感じたその大きな違いは、子供の "自立心の育て方" の違いです。
つまり小さい時から、自分の頭で考えさせるという教育です。
それを言うと、今の日本の親御さん達は「子供の意見を聞く事だ!」と単純に考え、「お前は何がしたいの~? (^^♪ 」と幼児にまでお伺いを立てる様な「只の甘やかし」をされる保護者の方も大変多く見受けられます。
その「単なる甘やかし」のケースになってしまう大きな原因の一つには、親御さん自身が「教育」というものにちゃんとしたポリシーや信念をお持ちでない方が大変多いというのがあります。
これは長年子供達を指導して来た、バレエ教師としての私の眼から観えるものですが(※そこには縮図として社会全体が反映されています)、今の日本では大半がそういう親御さん達であり、それを裏から見れば、実は親御さん達自身が "親" としての自信を持てていないという事があります。
日本は「お子ちゃま文化」から来る「甘えの構造」が社会全体にありますが、日本の中だけにいるとそれが当たり前なので、皆さんお気づきでない方も多いと感じます。
その "日本では当たり前" の感覚で外国に出ると、精神的に自立できていないと見られて、多くの外国人の方には違和感を持たれてしまう事も、ままあるのです。
それが人によっては、「日本人は自分がない」「日本人は自分の意見が言えない」「日本人は自分の眼でものを見ない」と馬鹿にされてしまう原因にもなっているのですね。
それは何から来るかと言うと、やはり日本独特の文化からなのだと思います。
日本人には元々、(最近世界から尊敬されて注目を浴びる様に)「品格」というものが根底にあります。
けれどその素晴らしさが今一つ発揮されなかったり、誤解されてしまう原因の一つに挙げられるのが、
「日本人は他人の目を気にし過ぎて、嫌われない様にしようというのが言動の基本になっている」という文化に有るのではないかと私は感じているのです。
分かり易い例で申し上げると・・・。
例えば誰かと一緒に食事などに行く時にありがちなのが、日本人は相手を立てて「相手のペース、相手の食べたい物に合わせる」という事がありますね?
日本人の方は、それが相手への優しさだと思う所があります。
けれど外国の方の感覚からしたら「自分が何を食べたいかもわからないのか?」という捉え方をされたり、
又そればかりだと、結局いつも自分だけが主導権を持つのを負担に感じてしまう方もいらっしゃるし、「何だ!? 自分を持たないつまらない奴!」と内心思われてしまう方も結構いらっしゃるというのも事実なのです。
つまりそういうスタイルは、海外ではあまり高い評価はされないという事が多いという事なのですね。
そう、彼等はちゃんと見抜いているのです!
それは相手への優しさというよりも「自分が嫌われない為=自分の自信の無さから来る "優柔不断" 」という事をです! ∑(O_O;)
日本の子供達はそういう大人達を見て育っている訳ですから、当然子供達も「自分を持たないで、人に合わせてばかり」という、つまり「自分の頭で考えない人間」に育って行くのです。
これは今の日本に一つのパターンとして、かなり多い事例と思います。
ですが、まず大人にその自覚が無いものですから、これは逆に相当根深いものでもあります。(^^;
このテーマは大変奥が深く、とても一回ではお伝えし切れるものではありませんので、次回もこのテーマでお話しさせて頂こうと思います。 _(_^_)_
(次回へ続きます)
CICELY MARY BARKER 「Flower Fairies シリーズ」より
このコラムの執筆専門家

- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年