ハウスメーカーの良し悪しは営業マンで決まる？？【その２】

ハウスメーカーの良し悪しの決め手は工法や仕様だけではない。

その担当者如何にかかっていることを注文者はよく理解しておくべきだろう。

セールスのプロは、顧客がどんな人でもモノを売ることができる。

モノの高い安いにかかわらずだ。

よくある話には靴を履いたことがない人々にどうやって靴を売るか？

そんなことを聞いたセールスマンは多いはず。

注文住宅は簡単には売れないと考えがちだが、いつの時代にも売れる営業はごく少数である。

特に、首都圏では注文者の要望も多種多様であり、それに加えて建築の法規や土地の権利関係など相当な知識と経験がないと太刀打ちできない。

それに加えて価格も高く、セールスには厳しいのが現実である。

そんな中で頼れるのは図面、つまり設計図以外に何もない。

図面に記された寸法で収まるのか？

仕様はこれでいいのか？

など、吟味することは多く様々である。

昔、とあるお客さまとの打合せ。

当方は当時のＨＭに入って３年目ぐらいのころだ。

その方、実は建築資材の卸会社を経営されている方。

ある意味、プロなのである。

そんな方に当方は太刀打ちできるはずがない。

しかも、延床が１００坪を裕に超える面積で…

その方にはずいぶんと勉強させられた。

当時の仕様設備でも、最先端の内容で、ある設備カタログにも掲載されるほどの現場だった。

全く知らないことだらけで、打合せ後の度に調べることが山ほどあった。

打合せ時間もかなり長時間にわたり、帰宅は深夜になること頻繁。

例えば、キッチンだけでも、高級外車１、２台分の費用。

オート水栓や食洗器、オーブンなど当方ではすべて初めてのことばかりで出来上がりの想像ができない。

また、浴室や洗面などは大理石等々、今ではホテルライクの仕様があるが、当時はなかなか見本すらなかった。

しかも、価格は高いってもんじゃなかった。

設計の打合せだけでも約１年間はかかったと記憶している。

それに加えて、工事期間も８か月程度かかった。

打合せと違うことが何度もあり、現場にも呼ばれること多々。

家の話はこれほど大変だということをいやというほど体験した。

そこで頼れるのは、図面の読みこみと過去の経験。

家の世界って３次元の世界だから、立体を想像するのは難しい。

平面だけ見て立体を想像するのは、注文者側には難しい話だ。

使う人の目線や習慣なども加味されておかないと満足は得られない。

億に近い何千万もする家を若造によく託してくれたと思う。

当時は相当に必死だったと記憶している。

そんなお住まいのお客さまは今も継続してお話することが多い。

当時、小学生だった子どもさんらは、結婚されたりしており、その時の早さにはびっくりする。

この方を担当してから、不思議なくらい１５０坪程度の住まいを年に１、２軒は担当するようになった。

それだけ、思いの深いお客さまである。

ハウスメーカーの営業、とくに注文住宅の営業は、いっとき、数千万もする財産をお客さまからお預かりすることになる。

それだけ、重要なことを自身には託されていることを絶対に忘れてはいけない。

そうした心情があれば、商談も緻密になり、きめ細かい対応をし、信頼を得ることにはなる。

そんな担当に巡り合えたらいいのだが…

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