店長のための「言える化」推進計画(その49) - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
店長育成・販売促進ナビゲーター
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店長のための「言える化」推進計画(その49)

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「私が責任を持つからやってちょうだい!」

これは、かつてスタッフリーダーのAさんが口癖のように言っていた言葉です。

スタッフリーダーのAさんは、自分が行ったミーティングで多くの意見をどの様に取りまとめていったのかについて、店長から7つのステップでまとめるように指示され、改善策、実行案の優先順位を決めるステップ5まで順調に来ました。そんな彼女が、一番こだわったのが、この次のステップ6です。

「店長。ステップ6は、『担当者を決める』にしたかったのですが、その前にこのステップ6で『責任』について、スタッフ達と合意をしておきたいんです。」

かつて彼女は、自分が決めて、自分が指示して、自分が実行していました。その為、全ての責任は自分にあると考えていたのです。もちろん、「責任は自分が持つ」という姿勢は良いのですが、それが故に、「だから多少はルールを無視するようなことをしても自分が責任を取れば良い」と考えてしまっていたのです。

その為、忙しいランチタイムは、自分の判断でグランドメニューのメニューブックを下げ、ランチのみのメニューをテーブルに置き、お客様からグランドメニューの要望があっても、「ランチタイムなのでこのメニューからお願いします」と言うようにしろとスタッフにも指示をしていたのです。実際、そうした方が店はスムーズに廻ります。キッチンもメニューが絞れるのでやりやすくなります。しかし、それは、完全な店の都合。ランチメニューを目当てのお客様はそれで良いのでしょうけれど、グランドメニューを食べたいお客様も中にはいらっしゃいます。そんなお客様の気持ちは、完全に無視してしまっていたのです。

しかし、スタッフの力を認め、スタッフに一目置くようになってからは、考えが変わりました。「責任」は自分が持つ。これは変わりません。しかし、スタッフにも責任は持たせる。その上で、全員の意見でどうするべきかを決めるようにしたのです。

例えば先ほどのランチメニューの件では、スタッフのBさんが、「お客様の中にはグランドメニューを召し上がりたい方もおられます。キッチンも問題なく対応出来るとおっしゃっています。お客様のオーダー時間が少し長くなるかも知れないので、私たちが、『責任持って』お客様が早く決め安いように、メニューの説明を工夫しますから、グランドメニューもテーブルに置かせて下さい。」と言ってきたのです。

Bさんの「責任を持って」と言う言葉を聴いて、Aさんは、店の都合ばかり考えていた自分勝手さを反省し、Bさんの言うとおりにグランドメニューブックをテーブルに戻しました。Bさんの言う「責任」とは、それまでAさんが使っていた「責任」とはまったく違っていました。Bさんは、「ご注文が遅くならないように自分達でもっと工夫をする」と、自分達で行う「責任」を訴えたのです。

さて、そもそも「責任」とは、何なのでしょうか?
かつてのAさんのように「自分が責任を持つ」という言い方をするひとはよくいます。カッコイイですね。こう言われちゃうと、そのひとが『やろう』と言うことに対して、そのまま乗っかっても良いような気がしますよね。

でも、これは違う!と私は思います。
「自分が責任を持つ」と言うっているひとは、その理由を「説明」したくないのです。と言うか、出来ないのです。
そして、その言葉にそのまま乗っかってしまう人は「自分が責任を持ちたくない」のです。

おかしいと思いませんか?
本当に、部下やスタッフの力を信じていたら、彼らと一緒に対処方法を考えます。自分の指示よりももっと良い方法があるかも知れないからです。

「責任を取る」とは、「絶対に目的を達成させる」と言うことです。失敗したとき、問題が発生したときに謝ったり、処分を受けたりすることを甘んじるのが、「責任を取る」という意味ではありません。「失敗しないように」「問題が起きないように」全力を尽くすのが「責任を取る」と言うことなのです。

かつて、「自分が責任を取るからこれをやって」と、お客様の気持ちを無視した行動をしていたAさんは、部下を信じることで、この言葉を言わなくなりました。いえ、言う必要など無くなったのです。だって、自分が説明できないようなことを裏技として行わなくても部下達がもっと良い方法を考えてくれるからです。

ミーティングの意見のまとめかた7ステップの6番目は「責任は個人ではなくチームで負うことに合意する」と言うことです。これは、個人の「責任」が無いと言うことではありません。個人も責任を持つが、チームとして、目的を達成するために「責任」を持つと言うことです。皆さんも、是非もう一度「責任」について考えてみて下さいね。

さあ、後は、最期のステップを残すのみ。これはまた明日。

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