- 黒木 昭洋
- コーチ
- BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ
対象:コーチング
「温厚な性格で極力周囲との衝突を避け、我の強いスター選手とも対話を通して良好な関係を築きながら、現有戦力のタレントを最大限に生かした攻撃的なチームを作り上げる。」
こんな評価を受けている監督です。
彼の人柄をよくあらわしている言葉だと思います。
ユベントス⇒ACミラン⇒チェルシー⇒PSG⇒レアルマドリーと多くの有名クラブの監督を歴任しております。
ユベントス以外いずれのクラブでも優勝を経験している名将ですね。
記憶に新しいところですと今年レアルマドリーに10回目のチャンピオンズリーグ優勝をもたらしました。
何故彼は、冒頭で申し上げたような評価を得つつ、歴代最高といってもよい「成果」を残しているのでしょうか?
詳しい戦術分析や人物評は他のサイトに譲るとして、「すぐれたコーチ」としての観点から考えてみましょう。
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<優秀なコーチの条件>
1.ニュートラルであること(思いこみが無いこと)
2.人の話をよく聞くこと
3.質問力があること
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この条件から考えると、彼は1と2が素晴らしかったのではないかと考えております。
ニュートラルであること(思いこみが無いこと)
彼は「成果」つまり「勝利」を勝ち取るための「かたち」にこだわりがないと思われます。
・ユベントスでは3-4-1-2
・ミランではクリスマスツリー(4-3-2-1)
・チェルシーでは4-3-3
・PSGでは4-4-2
・レアルでは4-3-3
このように勝利を導くための「フォーメーション」にこだわりがないと考えられます。
つまり「成果」を出すための「思いこみ」が少なく、選手の能力を最大限出すための「かたち」にこだわっているように思われます。
過去の成功にとらわれない、素晴らしいことですね。
この点、名将と言われた監督は少なからず「かたち」があったように思います。
※モウリーニョと言えば4-3-3、ベップといえば「ゼロトップ」など。
人の話をよく聞きこと
有名なエピソードとしては、ACミラン時代にピルロの「中盤の底をやらせてください」という意見を聞き、彼を中盤の底に据えたということだと思います。
10年前のACミランですね。
現在でこそ線が細くても中盤の底で展開力・創造力を生かすようなボランチが出てきておりますが、当時としては珍しく起用には勇気のいることだったと思います。
選手の言葉に理解を示し、可能性を引き出したということが素晴らしかったですし、その後ミランの成功の大きな一要因になったのではなでしょうか。
余談ですが、中盤の底にピルロがいないということはいまのイタリア代表やユベントスにとってもぞっとすることですね・・・。
そして私の知る範囲では彼は、前述のモウリーニョやファーガソン、カペッロやリッピといった名将といわれる監督と比べ、自己主張が強くないように思われます。
アンチェロッティは主役はあくまで「選手」であり、その「成果」を出すための黒子に徹することが館跡区の役目と心得ているのでしょうか。
自らのやり方に信念を持つことも素晴らしいですが、「成果」「勝利」にこだわり、そこに至るプロセスはどのようであってもよいのではないかという柔軟な姿勢と発想は尊敬に値します。
1と2の振り返りをしてみて、このようにみると彼はいわゆる「コーチ」としての能力も高くもっているのではないか。
彼のように常にニュートラルに相手の話が聞ける、そんなコーチやマネジャーであり続けたいと思いました。
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